Moitas BistroはJerseyのHavre des Pas通りにあるポルトガル料理のビストロ。親方らが常宿にしていたフォートオバンホテルの斜め向かいに位置する。Webによれば水曜日定休。
以前からもちろん知っているし、気にはなっていたが2018年に初めて入るまで一度も来たことがなかった。なぜなら昔はこの店はマデラ料理の店と書かれていて、Jerseyで2007年に行ったInternational Food Festival2007というイベントののマデラ料理の屋台で粒の形のガーリックがたっぷり入ったパンを出され、これが代表的な料理だと言われた経験があったから。ですが、今はこの店はポルトガル料理と表示されているし、Webによれば以前とはオーナーが変わったらしい。Tripadvisorの評価も高いので、一度は行ってみようということになった。まあ、そのくらいホテル周辺で食べるところに困っていたということですが。しかし一度ここで食べて美味しかったので、2018年以降はホテル周辺での第一候補がここになった。
8時ぐらいでは結構予約しないで店にやってきて、いっぱいだと断られている人を見るので、早い時間に行くか予約をするのが良いだろう。ラフな格好の旅行者もいる一方、おめかしをしてきている人もいる。
メニューを見ると、普通のシーフード料理もあるし、パスタといったイタリア系の料理もあるし、ポルトガル料理もある。最近この島でもよく見るEspetadasという串で刺して焼いた料理か、Cataplanaという鍋料理を食べている人が多い。
2023.9.8
7時過ぎに店に入ると、去年もいた女将が待っていたわよと言ってくれる。こちらも手土産を渡す。すぐに店主のJoeもやってきて、今朝バスを待っているのを見たよ、と言われる。どこで誰が見ているのかねえ。でも気が付いて来るだろうと待っていてくれていたのはうれしいものです。
まずスパークリングワインを勧めてもらって、それを飲みながら何を頼むか考えて、F氏はエビのカクテルとチキンのカタプラーナ、親方は小魚Whitebaitのフライ(タルタルソース)とローストダックのペッパーソースにする。エビのカクテルはエビ単体よりも下にひいてあるキャベツとの組み合わせがおいしかったそうです。親方のフライはワカサギのフライに似たもの。パン粉をつけて揚げていて、タルタルソースをつけておいしく食べましたが、前菜でそこそこのサイズの魚が20匹もあっては、全部は食べられませんで、5匹ほど残しました。チキンのカタプラーナはシーフードのカタプラーナとはまた味付けが違っておいしかったそうだけど、F氏の苦手なにんにくをたっぷり使っているそうな。この店はおいしいけどその点だけは問題です。親方のダックは以前グレイビーソースで食べたけど、昨日がグレイビーソースばかりだったので、ペッパーソースにしてみましたが、大変よく合っておいしかった。特に腿の肉厚の部分はすばらしくおいしかった。これも量が多くて全部は食べられなかったけど。デザートリストをもらうと、昼に食べたココナッツのアイスクリームと同じものがある。どこか共通のところから仕入れているのですね。それぞれ甘めのアイスクリームを食べて、次回の予約をしてから歩いて帰ってくる。
2023.9.11
7時に店に入ると歓待してくれて、前も案内された入り口横の席へ。Joeに何を飲むかと聞かれて、まず白をと答えた後で、今日はムール貝があるぞ!と言ってきたので驚きました。去年初回に来た時にF氏がムールはあるかと尋ねてなかったが、二回目に行った際にはムール貝を用意してくれていました。しかし、今年は前回そういう話はしていません。つまり、去年のことを覚えていたのか、または客の記録を取っていて去年の記録を確認していれてくれたのでしょう。これこそ真のサービスと言えるものです。
ということで、F氏は前菜にムール貝、メインはメダリオンステーキのマデラ酒のソース、親方は前菜にCocquille Fruit de Mer、メインはChicken Kiev。ムールはジャージーミルクにたっぷりニンニクが入ったもの。F氏はニンニクが苦手だが、この店では避けられない。それでもおいしく食べていました。親方のCocquilleは大きなホタテの貝殻の中にさまざまなシーフードのグラタンが入ったもの。量も適当で、ホワイトソース味がおいしかったです。メインは赤をもらってステーキもおいしかったようです。親方のもキエフ風チキンもガーリック強めでしたがおいしく食べました。
2022.9.16
2022年には8時ごろに店の入り口で2人というと予約しているかと聞かれ、ないというと、そこのテーブルにといわれる。そこそこ混んでいるが、店主のJoeの姿が見えず、案内してくれたのは女性。そしてサービスをしている男性は雰囲気はJoeに似ているが違う人。以前は店でサービスをしていたJoeはどうしたのでしょうね。
メニューをもらって、何を食べるか考える。F氏は前菜に野菜スープ、メインが魚介のカタプラーナ。親方は前菜がマッシュルームのフライのタルタルソース、メインがチキンのエスぺターダにする。メニューを取りに来た女性にJoeのことを聞くと、夫だと。ああ、そうなのね。3年前にもお世話になったので、とお土産を渡す。また、ワインを勧めてもらい、しっかりした白というのをもらう。前菜を持ってきてくれたのはJoeだった。久しぶりとあいさつしたが、あまりよくは覚えていないようだった。まあ、いいです。野菜スープはボールいっぱいで量は相当あります。F氏によれば、キャベツの芯とブロッコリの芯の味がするそうな。おいしいと全部食べていました。親方のマッシュルームも好きな味です。ただ、ここはちょっと前菜の量が多いのですよね。前菜を二人とも食べ切ったので、メインは二人とも残す。親方のチキンは、チキン自体にしっかり味がついて焼いてあり、薄味を好む親方には味が濃すぎた。チキンとしてはおいしいのにね。F氏はおいしく食べたようです。そのころには2本目のワインももらっておいしく飲む。
赤ワインが余ったので、チーズでも貰おうと思ったが、チーズはないと。デザートはと聞くが、フルーツなどF氏の食べたいものはなく、レモンのソルベを食べる。親方はデザートはなし。19日の女王の葬儀の日はいつも行っているLa CapanninaもPark Houseもやっていないし、ということで尋ねてみると営業するという。よかったです。ホテルならたぶんやっているとは思ったのですが、ホテルのレストランのメニューは見たけど普通で、外しはしないだろうけど、このレストランじゃなくてもいいよねという感じだったので。なので7時に予約をしてまた来ることにする。
2022.9.19
女王の葬儀の日。予約した7時に入店。このあたりではここしか開いている店はないと思うのだが、そんなに混んでいない。そのあと何組か予約をしていない客がやってきていましたが。今日は店主のJoeがでてきて、まず何を飲むんだ?と食前酒を尋ねてくる。ボトルのスパークリングワインをもらったらプロセッコでした。メニューを渡しながら、今日はフルーツとマッスルが入れてあるぞ、とJoeが言う。ごめんなさい、何を言っているか我々二人は全く理解できませんでした。フルーツは前回最後のデザートにないかと尋ねたので、それを我々のために仕入れておいてくれた、ということでした。またマッスルとは筋肉ではなく、ムール貝のことでした。メニューにはないけどムール貝を入れておいたよと。3日前にはF氏がムール貝が好きだなんてことは言わなかったはずで、3年前にはいったかもしれないけど、それを思い出してくれたのでしょうか?どちらも大変うれしい配慮です。日本からのお土産もおいしかったのでしょう。よかった。ムールがどのくらいの量があるかわからなかったので、2人でシェアするような量ならそうして、そうじゃなければF氏が注文しようと考え、量を尋ねると、ポーションだと。それを聞いてF氏はムールとメインは豚のソテーのマッシュルームクリームソース、親方はパルマハムとメロンを前菜にして、メインはメダリオンステーキのマデラ酒ソース。
ムールはガーリックとクリームがたっぷりで、ムール貝もたっぷり入って、これがポーションかと思う量でした。親方も少しもらったけど、おいしいけど相当ガーリックが効いています。ニンニクがあまり得意じゃないF氏ですが、パンももらってクリームに浸していくつも食べていたほどおいしかったようです。夜中にガーリックの影響で寝られなかったようですが。親方のメロン&ハムはメロンではなく、瓜の系統のもの。親方には甘すぎずにおいしかったです。メインのために赤ワインももらうと、南ポルトガルの産のワインだそうです。結構渋くておいしい。以前来たときはソースは別についてきて自分で好きにかけるスタイルでしたが、今日は二人ともソースはあらかじめかかっていた。親方のステーキもおいしかったですし、F氏の豚もおいしかったようです。つけあわせにはポテトと野菜のほかにピラウが付きましたが、これをソースと合わせるのは日本人なら大概の人が好きでしょう。デザートメニューを親方にだけ持ってきたと思ったら、F氏にはフルーツの盛り合わせを。親方はなにももらわず、F氏と一緒にフルーツをいただきました。ナイフ&フォークはF氏の分一つだけしか持ってこなかったので、親方はマナーのない手づかみでしたが。サービス料は10%ついていますが、たくさん配慮をしてくれたので少し多めのチップを置いて、また来年の夏にと言って店を出る。
2019.9.15
日曜日だから混んでいて入れないかとも心配していたが、6時前と早い時間だからか、1組しか客はおらず、問題なく入れた。店主のJoeは我々のことを覚えていてくれて、去年と同じ席に案内してくれた。去年などは少し厳しそうな顔をしている人だと思っていたが、今年は笑顔も多い。
まずはシャンパンをもらってメニューを吟味する。いろいろ考えて、F氏は前菜にカラマリ(イカ)、メインに去年も食べたシーフードのカタプラーナ(鍋)、親方は前菜にダックレバーパテ、メインはなんだったかポルトガルの名前の料理で、角切り豚とクラムとだけ英語の説明があった料理。F氏のカラマリは小ぶりなイカをソテーしてガーリックたっぷりのソースをかけたもの。すごくおいしい料理だが、F氏はガーリックは得意ではないので、半分くらい親方がもらっていただく。ダックのレバーパテは、非常になめらかで食べやすくおいしいレバーパテだった。F氏はレバーも新鮮なものでないと当たることが多いが、それでもこのパテはなんどか親方のを分けておいしいと食べたほど。この両方の前菜は相当我々好みだった。
赤ワインを一本もらってメインに。F氏のカタプラーナは安定のおいしさだったそうな、特に付け合わせのライスとの相性が素晴らしかったとのこと。親方のメインは、豚とアサリを一緒にソースで炊いたのかな?ソースは少しだけ辛みのある魚醤のような魚系の香りのするオイルたっぷりのソース。豚とアサリを合わせるってのが不思議で注文してみたが、ちゃんと合ったおいしい料理だった。少し豚が火を通しすぎか、固めだったのと、少しソースの味が濃すぎたので、全部は食べられなかったが。
2019.9.17
昨日の夕飯にLa Capanninaへジャケットにネクタイでバスに乗ろうとしているところを店主Joeに見られていたので、少しはちゃんとした格好で今日は行こうと、ジャケットは着なかったが、ネクタイは締めて行ってみた。一昨日に予約をしておいたせいか、今日は入り口横の窓際の席。ここに座ると道からも誰が食べているのかわかるという席。
昼から通算して3本目のシャンパン(全部銘柄が違う)をもらいながらメニューを吟味。F氏が注文したが一昨日になかったクラブカクテルは今日もないそうな。なのでF氏は前菜はグリーンランドのエビのカクテル、メインはラム。親方は、前菜にポルトガルのチョリソーをグリルしたというもの、メインはバカリャウ、つまり干ダラにジャガイモとスライスした茹で卵という説明の料理(実際にはそれにオリーブも乗っていた)。店主のJoeは親方の注文がいたく気に入ったような表情でした。見ていてもほかの人は前菜を食べずにカタプラーナかエスペターダばかりだからでしょうか?
F氏のエビのカクテルはおいしいけど普通だそうな。この店で食べなくても。でも、親方のチョリソーは驚きました。太さは2cmくらいかな、それを二つ折りにした重さ300gくらいありそうなソーセージに炎をつけて燃やしたものがでてきました。チョリソー以外は全くなし。いやあ、こんな前菜あるのね。チョリソーは表面が固く焼かれているが、切れ目が入っているのでナイフは入れやすい。中身は柔らかいソーセージで、外側との対比も面白い。チョリソーだから辛みもあるが、過剰ではなく、実においしい。ただし、量が多い!さすがに全部は食べられず。いや、無理すれば食べられるが、それではメインは食べられない。1/3ほどは残した。F氏のラムも普通においしいとのこと。この店の流儀で、グレービーソースは皿に入れずに自分で量を選んでかけられるのも我々の好み。親方は、バカリャウは話に聞いたことしかなく食べるのは初めてだが、これも大変おいしい。ゆで卵のスライスがあるのは意味があるんだねえ。でもさすがに量が多く、前菜もあったから半分も食べられなかったのは残念。メインには赤ワインをもらったが、これも二人の料理によく合った。最後にレモンソルベを食べていると、サービスだとJoe氏がスピリッツを二杯持ってきてくれる。アニスの酒とアマレットだったかな?よほど我々を気にいってくれたようでよかった。また来年と言ってホテルに歩いて帰る。
2018年に予約もせずにに店に入ると、2人席は少なく4人以上の席が多かったが、19時前ではまだ客が少なく、問題なく入れた。親方はジャケットは着ていたが、その下はTシャツだったが問題はなかった。もっとラフな格好の人もいた。しかし、もう少しちゃんとした格好をした方がよかったと思った。結構ちゃんと着飾ってやってきている人もいるからである。
いろいろと検討した結果、F氏は前菜に本日のおすすめの中からフレッシュCrab カクテル、メインはSeafood Cataplana。親方は前菜にGrilled Portuguese Sardines with Sea Salt、メインはRoast duck with Gravyというのにする。ワインもお勧めのポルトガルワインを2本ほしいというと、そのころになると硬い顔の店主Joeが笑顔になり、前菜が白でメインが赤でいいか、いいのがあるぞ、と選んでくれる。まず白をもってきてくれたが美味しいのでエチケットを見たいと言ったが、英語の標記がないそうな。ブドウの種類はミックスだそうで。まあ、どうせ日本で買えるはずもなく。またすぐに赤をデキャンタしてくれていた。F氏のクラブカクテルは、ほぐしたカニ肉の下が千切りレタスで、これとあわせて美味しかったとのこと。また、オーロラソースが別添えなのもよいと。はじめからかかってしまっていると、オーロラソースの味ばかりでカニの味がわからないけど、別にしてあるので好みでかけられるのもよかったとのこと。親方のイワシは、頭はつけたままで内臓を抜いて焼いたものが3匹と少しの生野菜がついてきた。結構塩味は強いが、美味しいイワシだった。ただ、日本で食べる塩焼きのイワシとは違って米には合いそうもない味なのは面白い。塩が違うのでしょう。
Cataplanaというのは、銅の鍋で蒸し焼きにしたポルトガルの料理だそうで、エビ(大小)やムール、あさり、カニの爪、タラなどのほか、ジャガイモやトマト・リークといった野菜も入っていた具だくさんの豪勢な料理。これがおいしいだけでなく、スープに付け合わせのライスを入れて食べるとまた一層美味しいとのこと。ジャガイモもソースを吸って美味しかったそうな。親方のダックはカモではなく家鴨でした。これもグレービーは別添えでしたが、大変おいしかったです。親方の好みの味でした。またメインにあわせた赤ワインも美味しく、二人で二本全部飲んじゃいました。デザートは親方は食べませんでしたが、F氏は店主Joeのおすすめのチョコレートファッジとアイスクリームを食べ、食後酒にポルトも2杯飲んで大満足でした。これで、料金は二人で120ポンド。おいしかったワインもそれぞれ19ポンドと22ポンドかな、味に比べて大変安いワインでした。この店は流行ると思いますし、評判が高いのもわかります。8時過ぎには3組くらい入れなくて断っていたはず。
最後に店主Joeには、向かいのホテルの客か?と聞かれ、いつまで滞在しているんだ、次はいつ来るんだ?と言われました。店にも気に入られたようでよかった。来年もまた行こうと思いましたが、それにしてもこの店を前々から見ていたのに、一度も入ったことがなかったのはつくづく大きな失敗でした。
この翌朝にはバス停でバスを待っていたら、やけにラフな格好の店主Joeが店の中からこちらをみつけて手を振ってくれたので、こちらも手を振りかえして挨拶をした。よほど気に入られたようだ。