イタリア料理店La Capannina(ジャージー旅行記)

 St. Helierの町の中心にあるイタリア料理店La Capanninaは、いつも行っていたNelson's Eyeが火曜日が休みなので、2007年にマネージャーのAnthonyにどこへ行ったらいいかたずねたら教えてくれた店。Anthonyの目標の店らしい。その後は毎年行くようになった。入り口には、「ドレスコードは絶対ではないが、できればちゃんとした格好をしてきてほしい」「携帯電話を鳴らすのは許さない」と書いてある。なのでちゃんと革靴とスラックスをはいていく。ただし、はじめの年は上はポロシャツしかないのでポロシャツだったが、観光地なので問題はない。インターネットで見ても、ジャージーで最も高級なイタリア料理店であると書かれていたりする。事実、町の名士のような着飾った人を良く見るし、またよい家の誕生会とか、島から出て本土の大学に進学する子供を送り出す会とかやっているのにも良く会う。ランチもやっていて、銀行マンとかがビジネスランチで使っているらしい。日曜日は休み。7月終わりごろから8月20日ごろまで夏休みでレストランとしてはやらないが、バーとしては営業しているはず。

 記事を見ると、このレストランは今も現役の老マネージャーTino Rossiが1966年に開いたのがはじめだそうな。そのTino Rossiは、スイスで修行し、1955年にJerseyにわたってきて、はじめはSt. Brelade's BayにあるHotel L'Horizonで働き始め、すぐにLoad Jerseyにも認められたそうだ。1966年開店当時はSpaghetti Houseだったそうだが、すぐに多くの人に注目されたそうな。Jersey Evening Postによれば、2008年に共同経営者とTino's Ltdという会社を設立して運営しているという。Tino Rossi氏のコメントがそのときの記事に出ているのですから存命ということ。結局、我々が老マネージャーなどと呼んでいる人がTino Rossi氏だということがわかる。2012年にTino Rossi氏は76歳だと聞いたので、1955年にJerseyに来たときは19歳ってことですね。ずっと元気でやってほしいものです。

 2018年に書かれたこの記事(英語)に詳しく書かれていますが、まさにこんな店です。1回だけ訪れる観光客に向く店とは必ずしも言えません。Tripadvisorでも「古臭いイタリア料理」などと書かれたりします。オリジナリティを重視するミシュラン星付きの店にはなるはずもありません。その代りに長い間同じ料理、同じサービスを提供し続ける一流店であり、この島の人たちが2世代、3世代にわたって祝い事などで使い続ける店なのです。この記事では、「角のテーブルや窓際のテーブルがこのレストランのベストだが、そこに案内されるには最低20年はこの店に通わなくてはならない」と書かれています。我々はありがたいことに、10年ほどしか通っていないときから、ときどきその席に座らせてもらっています。たぶん、その席にふさわしいというよりも、同じくらいの上客が重なって、どちらをその一番いい席に座らせても角がたちそうな場合に、「あいつらはわざわざ日本から毎年食べに来るんだ」と我々を座らせることでうまくやっているのではと推測しています。こんな店だからこそ、もう80歳超えたTinoがこの店に立てなくなった時も、同じ料理、同じサービスを提供できるのかが心配になります。

店の前
店の前のHalkett Place



2007.8.7

 7時前に店の前に着いたが、Closedのまま。7時から開店だろうかと2年前に行ったAtlantique Seafood BarのあるFish Marketを眺めて7時過ぎに戻るがまだClosedのまま。おかしいなと店の前のメニューを眺めていると、同じようにメニューを眺めていたが帰る人も。次の人もやってきて眺めていたりしていると、いつの間にかOpenになっていたので入店する。すると、きちんと蝶ネクタイをした明らかにイタリア系の老マネージャー(のちにTino Rossi氏と判明)が迎えてくれる。他のスタッフもきちんとしていて、確かにきちんとした格好で食べに行ったほうがいい店。

 いつものキールロワイヤルを頼んでメニューを眺める。キールロワイヤルはNelson's Eyeよりもシャンパンがよいのかおいしい。まずF氏がオードブルの盛り合わせとシーフードリゾットを注文すると、Rossi氏は「素晴らしい選択だ!」とかいうが、F氏が「あとメインは・・・」といいかけると、料理の量が多すぎるので多分それ以上食べられないだろうという。そこでF氏が「じゃあ、オードブルの盛り合わせとリゾットを二人で分けて、そのあとメインを食べるのは?」というと、「それはすばらしい!」といわれた。F氏はメインにサルティンボッカを、親方は腎臓のマスタードソースをもらうことにする。ワインを勧めてもらって白と赤の二本をもらう。

 オードブルの盛り合わせは12種類ぐらいいろいろなオードブルが乗っていて楽しい。それもすべてが基本的に違う味つけでおいしい。二人で食べても多いほどの量。リゾットは絶品!F氏はいままでで一番おいしかったリゾットだというが、それもわかる。エビやかにのソースでたかれたリゾットで、濃厚な味でとてもおいしかった。エビも1匹乗っていたので食べたが、このエビよりもリゾットの部分のほうがエビのうまさが味わえた。リゾットを選んだときにRossi氏が大げさにいうのがよくわかる。ただし、二人で分けても食べきれず残さざるを得ないのはもったいないが。メインの腎臓は、マスタードの味がほとんどせず、腎臓の臭みが結構残っているので好き嫌いは分かれるだろう。親方は食べきれず。その後F氏はデザートにティラミスにベリーを乗せてもらう。これはF氏によれば、本物のイタリアのティラミスだったそうな。良いマスカルポーネチーズを使っているという。最後にエスプレッソを、F氏は紅茶をもらい、10時前に店を出る。

 ワインは二本で60ポンドで、合計はチップを含めて180ポンド。満足感が高い。確かに安くはないかもしれないが、出てきた料理やワイン、それにサービスはそれに十分見合うものである。クレジットカードで払うと名前を見て呼んでくれるのもよい。次にきたら名前で呼ぼうと覚えているのでしょう。サービスは本当に最高で居心地が良い。とはいえ、店はいっぱいにはならず、一人で呑んで帰る仕事帰りのビジネス客もいれば、子供連れも来たり、何かのパーティーをやったりと、決して敷居の高い店ではない。また来たいと思う。のんびりと歩いてホテルに戻る。

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2008.9.23

 前年に来た時には比較的すいていたが、今日は団体客もいて混んでいる。7時開店で7時20分に入店したが、その前にも何組もいて、親方たちのあとにも何組もやってきていた。今年はジャケットを持っているので着ていく。ただし、ノーネクタイ。親方たちが座った、入口の一番手前の部屋の奥の角の席のちょうど反対、入り口のすぐ横でみなりのしっかりした老婦人がひとりで食事をしていたが、そののちにテーブルにあいさつに来たので女主人らしい。少し話をしたが、お嬢さんが二年間日本に英語教師として住んでいたんだそうな。しかし、去年いてサービスをしてくれたRossi氏は見かけず。奥の常連客の相手だったのか、それとも健康でも害したのか。グラスシャンパンをもらってメニューを見ていると、つぎつぎと手長エビとかロブスターとかを持ってきてお勧めだとか言ってくれるが、いっぺんに言われると覚えきれないし、一部の英単語はなんだか知らない。食材名もNelson's Eyeより豊富です。迷った末に、去年も食べたオードブルの盛り合わせと、カネロニを二人でシェアしてから、親方はローストしたpartridge(辞書によればヤマウズラ、イワシャコ類の猟鳥だそうな、そう言われてもさっぱりわかりませんが)、F氏はガーリックバター味のホタテを注文する。ワインもお勧めの白と赤を一本ずつもらう。

 食前酒と一緒にもってきたピザの生地にトマトソースを乗せたものは本当においしいつまみ。しかし、パンは理解できず。真っ黒焦げに近いトーストはおいしいのでしょうか?わざと出しているのですけどね、そういうのを。バターをたっぷり塗るとおいしいらしいのだが。オードブルの盛り合わせは、下に台を置いて真中にドンと置いていくので、何が載っているのかも正確には席からは分からず。なので親方が席から立ち上がって二人に分けようとしたら、分けようか?と寄ってくる。初めからそうしてほしいものです。しかし、小さな皿に全部を分けて載せるので、違う味の料理がごちゃごちゃに。ちょっと問題。もう少し少量ずつ分けてほしかった。少しずついろいろなものがあるので楽しくておいしいのだから。カネロニも二本をとりわけてサーブしてくれる。チーズと黒コショウをお好みの量かけてもらう。トマトソースのひき肉とチーズがすばらしくあってご機嫌。と言っても量が多いのだけは難点ですが。一人前を二人で分けているのに食べきれず。メインの鳥は一度見せてから、骨を外すかきいてくるのではずしてくれと答える。グレービーなどをかけていただく。おいしかった。親方は鳥が好きなので特に。ガーリックがあまり得意でないF氏もガーリックの刺激で体調がよくなったとのこと。結構きついガーリックですが、それゆえに淡白なホタテだけども赤ワインによくあったようです。ホタテは量が少ないのでF氏はほぼ食べたようだが、親方は食べきれず。おいしいのだけど食べ切れないのは切ない。周囲を見ていると、われわれのように食べている人の方が少なく、メインだけとか、前菜にメインとかなので、頼みすぎているのかも。F氏は去年も食べておいしかったという大きなティラミスをぺろり。どこが体調が悪いんだか。親方は酔って睡魔がおそい、もう飲めず食べられず。エスプレッソのダブルだけ飲む。チェックを頼むと、チップを入れずにクレジットカードのPIN番号を入れる画面にするので、チップはどう払うんだというと、もう一度やり直してチップを入力する画面にする。チップを払う前で160ポンドはNelson's Eyeに比べて随分安い感がある。2本のワインともおいしかったけど、どちらも30ポンド弱とお値頃で大満足。ホテルから近かったらこの店にもっと頻繁に行くかも。


2008.9.24

 店に入るとすぐに昨日の客と認識してくれて、あなたは当店のメンバーシップを持ちました、と言われ、昨日とおなじ席に。昨日よりもずいぶん客は少なくて、6、7組か。またシャンパンを貰ってメニューを考える。今日のお勧めは昨日と基本的には変わらないよう。だけど昨日分からないで聞き流していたのを少し質問して参考にする。たとえば、Grouseって知らないけど何?と聞くと、鳥の一種で、昨日食べたPartridgeは小さい鳥なんだそうな。昨日より大きいのだそうな。あまり情報がないですね。その場でこっそり携帯の辞書で調べたら、Grouseはライチョウの類だそうな。なお、後日日本に帰ってから秋山徳蔵著「舌 天皇の料理番が語る奇食珍食」(中公文庫)に「この鴨という鳥は、もしグルーズ(アイルランドとスコットランドだけにいる雷鳥の一種)がなければ、野鳥のうちで第一等にうまい鳥だと断言できるものだ」と書かれているのを見つけた。つまり野鳥で一番うまいと秋山氏が断言している鳥だったのですね。また、「Food Journeys of a Lifetime 500 Extraordinary Places to Eat Around the Grobe」(National Geographic社、2009)という本の中でUltimate Luxuriesという項目のひとつとして、Grouseはイギリス人が狩猟解禁を待ち望む食材だと紹介している。昨日のオードブルの盛り合わせはいろいろあって楽しいけど量が多いので、あれが食べられなくなる原因と思い、今日はやめることにする。F氏は手長エビのカクテルにロブスターのテルミドールというエビエビ攻撃。親方はブラックスパゲッティのクリームソースと、Fresh Grouseをもらう。それにまた白と赤の二本のワインを勧めてもらう。

 イカスミを練り込んだスパゲッティは、麺自体が美味しい上に、クリームソースとサーモンとのコンビネーションが絶妙。イタリアに行ったことがない親方ですが、過去にいただいたパスタではトップクラスでした。食べる前にロブスター柄のエプロンをかけさせられたのには参りましたが。まあ服を汚さないためには重要です。F氏の手長エビも6匹のうちひとつもらいましたが、きれいに剥けていて食べやすかったし、おいしかった。新鮮なものを上手に茹でてあるのできれいに剥けるのでしょう。Grouseは、焼き方はどうすると尋ねられた。鳥で焼き方を尋ねられたのは珍しく、どうしていいかわからないので無難にミディアムにしたが、食べてみてわかった。結構血の匂いのする癖のある野鳥でした。日本人では合わない人も多いのでしょうけど親方にはおいしかった。ただ、レアだったら癖が強すぎて食べられなかったかもと思った。選んでくれた赤ワインによく合った。ちなみにデキャンタ容器は鳥のような形の洒落たものだった。ライチョウは日本では天然記念物で食べられないというと、ではここで食べたことは黙っていろよと言われる。テルミドールは完璧だというのがF氏の感想。えびのひとかけひとかけは大きく、それがふわふわにやわらかく、上のソースもおいしかったとのこと。テルミドールの一等賞だそうな。しかも親方に合わせた強めの赤ワインにも負けない味だったとのこと。残った赤ワインをいただくためにチーズももらう。一緒にセロリが丸ごと何本も水を張った花瓶のようなガラスに入って出された。この組み合わせは新鮮でおいしかった。くせのあるチーズと、香りの強いセロリとこんなに合うのですね。自分たちでもこれを真似してみようと思った。チーズを取り分けてくれる量が多いのはやや難点。サービスなんでしょうけど。親方は2種、F氏は3種を選んで食べた。それからデザート。親方は甘いのがあまり得意ではないので、カラメル(プリン)をもらう。すると、そんな軽いものでいいのか、と言われてしまった。F氏は昨日とおなじティラミスとクレープシュゼット。目の前でオレンジ一個とレモン半個を絞り、コアントローなど3種の酒をかけて丁寧にフランベして出してくれたパフォーマンスは見事。だけど、とんでもない量のアルコールを振りかけていたので、しばらくフランベしても最後までアルコール分は飛びきってなかった。F氏によれば焦げ目はついているが中はふわっとしていて、オレンジの香りとアルコールの香りとがまざってすばらしかったとのこと。いつもは遅い時間はつめたいデザートばかりだった記憶があるが、特別に作ってくれたのでしょうか?最後にF氏はアマレット、親方はエスプレッソを貰って、全部でチップを含めずに190ポンドほど。満足感に比べれば安いです。

 親方たちは最後だったので、厨房などで仕事が終わった人たちは先に着替えて帰って行ったが、そのうちにオーダーを取ってくれたギャルソンや、サーブしてくれたギャルソンも私服に着替えて、我々に手を振って順次帰って行った。最後までサーブしてくれた人は残ってましたけど。さっきまでのきっちりきまった服で完璧なサービスをしていた人間とは全く違って見えるからイタリア系ですねえ。また、途中昨日のマダムともお話をする。去年サーブしてくれたRossi氏は旦那だそうな。今は出かけていて日曜日に戻ってくるそうで、それまでマダムが店を見ているそうな。終わりまじかにまたテーブルにやってきて、これで二階に行ってしまうのでと言って、親方と握手、F氏とはハグしてキス。どうやらこれで覚えてもらえたようです。たぶん留守のTino Rossi氏にも伝わることでしょうし、来年以降に行っても覚えてくれることでしょう。タクシーを呼んで帰る。

クレープシュゼットを作ってくれているところ
クレープシュゼットを目の前で作ってくれているところ

クレープシュゼット
クレープシュゼット

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2009.9.4

 親方はネクタイを締め、ジャケットを引っ掛けて革靴で。そうした方がいい店だから。アメリカ人などは半そでシャツ1枚で来ていたけど。その一方、革のコートを着てやってくる客も多い。ネクタイはさすがにめったにいない。

 今日は、去年留守だったTino Rossi氏がいるが、金曜日で客も多いので、話をしたかったが無駄な話はしている余裕がない。グラスでシャンパンをもらうと小さなピザが来る。これをつまみながらシャンパンを飲んでメニューを吟味。F氏は、前菜にロブスターカクテル、メインがドーバーソールのグリル。親方は、前菜はホームメイドパテ、メインがGrouse。パテは秀逸。ちょっと量が多いけど、実においしかった。メインも前回食べたときには少し血のにおいが強かったが、今日のは実にちょうどよい焼き具合で絶品!本当においしい。そういえば去年は焼き方を尋ねられたけど、今年は聞かれなかったなあ。F氏のロブスターも実に見事なサイズでおいしかったとのこと。もちろんドーバーソールも。ワインは白と赤を1本ずつくれと言うと、去年まではおいしいハウスワインだったが、今回は違うワインで。F氏が魚+魚、親方が肉+肉でワインとしては選択が難しいが、それをうまくあわせてくれる。基本は親方に合わせているが、ドーバーソールは添えたタルタルソースが秀逸で、これがあるから赤ワインでもよく合っているのだとF氏。こういうところは実によく考えています。食後にあまった赤ワインにあわせてチーズをもらってから、デザートをもらう。F氏はティラミスにイチゴを添えて。イチゴを添えてもらうと甘いクリームをなしでよく、大変おいしいとのこと。親方はカラメル。プリンですね。上にブルーベリーなどを載せて。これがまたよく合います。カラメルソースも甘すぎず、実においしかったです。F氏が食後にアマレットをもらって、チップを加える前で230ポンド。実に満足しました。

 ひとつだけ不満があるとすれば、デザートのころにすべてキッチンの作業が終了したらしく、強い消毒薬のにおいが店内に立ち込めました。これは不快でした。去年もここでそういう記憶があります。長時間ではなかったけれども。その点では開店する7時の直後にいって遅くならずに帰るのがよいと思った。今年のヨーロッパは、フランスで泊まったホテルのロビーとか空港とか、あちこちで強い消毒薬のにおいに閉口した。新型インフルエンザのためというのはわかるけど、レストランで食事中にこれではねえ。


2009.9.8

 いつものことながら、市の中心部の飲食店の入り口付近にはタバコを吸う客が立っていて迷惑。この店はそういうことがないが、この隣などはいつも必ず喫煙客が立っていて、煙を吸わされて不快。

 今日は奥の部屋の窓際に通される。グラスシャンパンをもらったあと、Rossi氏が今日のお勧めを言ってくれ、それを基に考える。F氏は昼からラングスティンと言っていたので、どういう調理方法か聞いて、前菜としてラングスティン(手長エビ)。メインのパスタとして違うものを考えていたようだが、お勧めのとおりシーフードのスパゲッティに。だけどこのスパゲッティは定番のメニューにも今日のお勧めメニューにも載っていないんですよね。親方はやはりお勧めのアスパラガスを前菜に、メインはフォアグラにする。ワインは白と赤を1本ずつ頼む。テーブルセッティングの際に、デザート用のスプーン・フォークの位置にやや斜めに一本フォークを置くので不思議だったが、このフォークを使ってアスパラの皿を斜めにして、バターソースを一方向に偏らせるためでした。このアスパラが絶品!もちろんグリーンですが、バターソースとの相性が抜群。実においしい一品だった。今回のヨーロッパの旅ではバターのおいしさをあちらこちらで実感した。濃いバターをケチらずに料理に使うとこんなにおいしいんだねえ。カロリーは高いだろうけど。メインのフォアグラは、親方は普段絶対に食べない一品。だって、脂くさかったりしつこかったりして美味しくないものがほとんどだから。だけど、この店なら大丈夫だろうと思いましたが、そのとおり美味しかった。当たり前ですが、でも量は少ないので、F氏の食べ切れなかったシーフードスパゲッティをもらおうとしたら、スパゲッティは全部はF氏の皿には盛られていなかったので、お前のために残しておいたと、サーブしてもらい、そちらも味見。残りなのでシーフードはほとんどないが、たしかに美味しかった。残った赤ワインのためにチーズをもらう。名前を覚えられないブルーチーズが特に美味しかった。それからデザート。

ラングスティン
前菜のラングスティン。マヨネーズソースで。

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2010.8.17

 いつものカッパニーナに予約の電話をしたが、5時過ぎでは誰も出ず。6時過ぎにかけ直すと電話に出て、8時に予約する。長ズボン&ジャケット&革靴に着替えてから、7時半にホテルを出て、歩いてカッパニーナへ。店の入り口の黒板に、Fresh Grouseの文字。うれしいですね。たぶん9月から解禁で8月には食べられないのではないかと予想してましたので。店に入るとRossi氏が出迎えてくれる。予約したので奥の部屋に案内されると、入り口のところの部屋にはだれもいないのに、奥はたくさんのお客さんがすでに入っていた。

 グラスシャンパンを貰ってメニューを眺める。やはりお勧めはGrouseらしいが、今回はF氏が頼むことにしたので、親方は何か別なものをと検討。ワインを考えると、メインはGrouseと似た傾向のものが相手も選びやすいでしょう。普段はそんなこと考えないですが、よりおいしく食べるにはと考えて。結局、F氏の前菜は、これもお勧めのガスパッチョ。親方は前菜をロブスターのスープと軽めにして、メインはラムのグリル。ラムは好きなんです。ワインを勧めてもらうと、即座に白と赤を1本ずつ勧めてくれる。マネージャーの表現からすると、去年よりもいいワインのよう。予約の際に去年のオーダーとかの記録を調べたんじゃないだろうかと考えた。実際、白も赤もすばらしかった。F氏のガスパッチョは、スープを先に出してあとから野菜などを加えるというもの。スパイスがきいた(Hotな)冷たいスープで、相当できがよかったらしい。親方のロブスターのスープもおいしかった。メインのGrouseは女性のオーダーだかららしく、テーブルのすぐ横でRossi氏が骨を外してからサーブしてくれる。ほかのテーブルの男性には骨ごとサーブしていたそうだ。ソースが選べて、一番お勧めという血とレバーを使った濃厚なソースを選んでました。感動するほどおいしかったとのこと。親方も一口もらいましたが、おいしかったです。まだ8月だからか、去年食べたのよりも血のにおいなどはほとんどなかったようです。親方のラムも出色の出来。ラムだからそんなに脂身なんてないはずなのに、身の横に厚い脂身があって、これが実においしい脂身で驚きました。親方の方もソースを選べましたが、Walesで一番ふつうの食べ方であるミントソースにする。デザートにチーズを貰うと、秘蔵らしいワインもグラスでもらえた。これがまた実においしい。この店は、予約をした上で何度も通うとおいしいものにありつけるようです。F氏はまたお勧めのクレープシュゼットをもらう。これがこの店一番のデザートのようです。親方はこのあたりで大分酔っていました。料金は260ポンドとチップ。計算間違えてませんかねえ?

ガスパチョ
ガスパチョ


2010.8.20

 昼に予約を入れていたカッパニーナへ再訪。予約の際に昨日来たんじゃなかったっけ?といわれる。昨日じゃないですが覚えてもらえています。今日は店の入り口の黒板にお勧めがたくさん書いてあります。中に入ると、まだ客は少ないのですが、大量のギャルソンがせわしなく動いている。今まで見たことのないギャルソンも含めて、忙しく、でもてきぱきと働いていた。聞いたらやはり金曜日と土曜日はいつも混んでいるそうな。奥の部屋に通されると、たくさんのテーブルセッティングがなされており、その多くは2人ではなく4人とか7人とか。バーで飲むか、それとも席に座って飲みながらメニューを見るかと聞かれる。混んでいなくても、まずバーで飲むスタイルもあるのですね。実際に後で入ってきた人でそういう人たちもいて、テーブルに着くとすぐに料理が運ばれてきていました。我々は席へ。

 席に着くと食前酒になんとかはどうか?と勧められるが聞いたことがない。シャンパンをフレッシュな白桃のピューレで割ったものだそうな。ベニスの名物なんだとか。それを頂いてみる。少し甘いが、ピーチの香りが美味しい。後で調べると、ベニス名物のBelliniというカクテルですね。これもGrouseと同様に「Food Journeys of a Lifetime 500 Extraordinary Places to Eat Around the Grobe」(National Geographic社、2009)という本の中で紹介されていました。メニューを貰ってあれこれ悩む。メインはF氏ももう一度Grouseだとのことで、親方も今日は重なってもGrouseがぜひ食べたい。前菜はラングスティンとかロブスターカクテルとかいろいろ悩んだ結果、F氏がHam & Fig。親方は以前も食べたことのある自家製ブラックスパゲッティのサーモンソース。またワインを勧めてもらい、お勧め通りの白と赤の二本をもらう。白は何でしょうね、初めての体験。色は白というよりも薄いロゼのよう。おいしい。イタリアワインはあまり知りませんが、いろいろなものがあるのですね。F氏がエチケットをほしいと頼んで、もちろんOKだったが、帰りにもらい忘れてワインの詳細は分からず。もらってもイタリア語が読めませんが、わざわざ店が試飲後に取り寄せたものだそうな。そう簡単に手に入るものではないらしい。スパゲッティにも合ったが、特にHam & Figにはよく合ったそうな。親方も一口もらったが、いちじくFigはよく熟れていて、生ハムと抜群の相性。メロンよりも絶対にこっちの方がおいしいでしょう。すばらしいでき。スパゲッティはブラックスパゲッティ以外でもエプロンをさせられるようで、ほかのテーブルもさせられていた。結構な量があったが、おいしくて結局全部食べてしまった。Grouseは焼き加減も聞かれなかったし、骨も外さずに切り込みだけ入れてサーブしていたので、火曜日とはだいぶ違う。手が回らないようだ。火曜日よりも生っぽい焼け方で、少し血のにおいがする。親方は好きですからいいですけど、人によってはだめかもしれない。おいしいけれども、スパゲッティを食べ過ぎて全部は食べられず失敗。まあ大きなところは全部食べましたが、親方はもっと骨についている所まできれいに食べるのが好きなので。赤もおいしいが、まあこの赤はフランスなどでも飲めるだろうレベルなのでエチケットがほしいとは言わず。それでもワインこの二本で110ポンドほどだったようなので、安いです。チーズとクラッカー・セロリをもらってワインをなめる。F氏にはクレープシュゼットを食べるよな?と言われる。これがこの店一番なんですね。F氏も好きだし。親方はもうおなかいっぱいなのでエスプレッソを貰っておしまい。

ブラックスパゲッティのサーモンソース
ブラックスパゲッティのサーモンソース

La Capanninaでのデザート
デザートのチーズとセロリ、クラッカー

2010.8.21

 昨日行ったときに今日も予約ができるか尋ねると、混んでいるらしくてしばらく調整の結果OKとのことだったので8時に予約した。店へ行くと黒板に書いてあるのは昨日と同じ。席も昨日と同じ席に案内される。昨日まで毎日サーブしてくれていたトップのギャルソンの兄弟も今日はいて、顔が似ていてまぎらわしい。昔この店にいたのを覚えているが、今日は忙しいので手伝いに呼ばれたらしい。

 また食前酒をもらいながらメニューを検討する。F氏はメインをフレッシュロブスターにすることにして、料理法を聞くと、テルミドールでもガーリックバターでも、ウイスキーフランベでも、とRossi氏。テルミドール大好きのF氏ですが、ロブスターのウイスキーフランベというのはF氏も知らず、それにする。前菜はカルパッチョ。親方は、前菜はトマト味のBaby Clam、メインはQuail、ウズラですね。鳥好きなので。またワインを勧めてもらう。カルパッチョは、見ているとどこのテーブルでも誰かは食べているので、一、二を争う人気メニューらしい。確かにF氏に言わせれば絶品とのこと。親方も少しもらったが、本当に牛肉の薄切りとは思えない味わったことのない味で、人気なのはよくわかる。しかし、親方のClamの選択は失敗。まずくはないのだが、日本で食べるアサリの酒蒸しと比べて特においしいわけではない。この店で食べるならほかのものの方がお勧め。メインのQuailは一皿で2羽分で、おいしい。昨日のGrouseの焼き方がもうひとつだっただけに、今日のこちらの方が個人的には好きです。F氏のロブスターのウイスキーフランベは、親方も少しもらったけど驚愕の味。こういう料理法があるのですねえ。フランべしてもアルコールが大量に残っているので、酒の弱い人には無理なメニューですね。ウイスキーの苦味と香りがあって実においしかったです。ただ、さすがにF氏もこのあとに再度アルコールたっぷりのクレープシュゼットは無理だったようです。体調も万全ではなかったですし。薦めてくれたワインもおいしかった。二本で130ポンド強でしたから、毎日少しずついいワインになっていったようです。そういえば昨日のワインのエチケットは、ギャルソンに言ったら謝るでもなく、メモをして持ってきてくれた。

ロブスターのウイスキーフランベ
ロブスターのウイスキーフランベ。フランベはしているのだが、ウイスキーを大量にかけているのでアルコールがまだたっぷり残っている。普通はもっと少ないでしょうね。F氏向けの特製です。

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2011.8.6

 土曜日なので混んでいるだろうと、昼に電話で予約しておいた。

 ジャケットを着て革靴を履き、カッパニーナに向かう。到着したのは7時20分ごろ。店の前の黒板に書いてあるお勧めを簡単に眺めてから入店。去年もいたスタッフが我々の顔を認識して寄ってきたが、予約の名前と我々とが一致してなかったようで、しまったという顔をする。奥の部屋のいい席を用意していなかったようで、手前の部屋の席に案内される。その後に、ドレスとスーツに高そうなアクセサリーを付けた、地元の名士らしい雰囲気の人たちが続々とやってきては、次々に奥の部屋に案内されていったので、奥の部屋でなくても仕方がないだろう。もちろん席に着く前に、Rossi氏もきて挨拶する。

 Rossi氏にメニューを貰い、いつものように今日のお勧めを聞き、キールロワイヤルを飲みながら、メニューを何にするか考える。メニューが去年とは少し変わったように見える。今年はJerseyに4泊しかできないので、やはり食べたい物を食べるのが一番ということになり、親方は去年F氏が美味しかったというガスパチョを前菜に、メインは去年も食べたウズラ。F氏は、やはり去年食べたハム&イチジクを前菜にして、メインをロブスターのウイスキーフランベ。それに白と赤のワインを一本ずつ薦めてもらう。フランスとイタリアどちらがいい、と聞かれたので、イタリアの店だからイタリアをお願いする。去年いた若い男の子は、いかにも子供だったのが、一年でずいぶん大人になり、いろいろな仕事を任せられるようになった。ガスパチョはスパイシーでおいしかった。でもそれよりも圧巻はHam & Fig。去年のものより熟成が進んだハムで、味も深く、それがFigに一層合っているとのこと。親方も少し貰ったが、確かに実においしい。そしてメインは二つとも前回よりも一層おいしかった。ウズラは特にソースの出来が良く、ウズラの味にすばらしくよく合った。ロブスターは、我々の目の前でRossi氏がサーブしてくれる。まずグリルされたロブスターを一度焼き網の上にのっけて軽くあぶった。そして、さらに皿に手際よく並べた。そして、コンロの上にウイスキーをフラスコに入れて加熱したあと、そこに火を移した。それを一気にロブスターの上にかけた。去年はRossi氏ではなかったので、ウイスキーのアルコールの味が勝っていたが、今年のものはアルコールが邪魔せずにウイスキーの風味がより一層生きていた。二人とも大満足。

 それからチーズを貰う。若い男の子が切ってサーブしてくれるが、断面が凸凹になっているのは未熟な証拠。まあ、それは仕方がない。それからデザートは、と男の子が聞いてきて、ティラミスにしようか、どうしようかとF氏が考えているところに、男の子の後ろからまたRossi氏がやってきて、クレープシュゼットだろ?と言ってくる。するとF氏は、当然のようにYes。すると、男の子が準備をして並べるが、違う違うとそのセットの変更を指示されて、不満顔。使うコンロすらいつもと違ったもので、それもセットし直しだった。すると、いつもと違ってRossi氏がやってくる。Rossi氏のサーブは相当有名らしいのだが、グラウズの骨を外した以外には、いつもやってもらったことはありません。他の客に出すことも一度も見たことがありません。それを2回もやってくれるなんて感激です。私を信じてくれるか?と聞いてきて、もちろん信じるよ、というと、十字を切ってから調理を始める。いつものクレープシュゼットは、まずバターの塊を落として、そこに砂糖を落として、そこにクレープを入れて、オレンジを絞る。そこにグランマニエをふりかけて、それをフランベしていた。ところが、Rossi氏は、まずバターを切って砂糖を加えて、一枚目のクレープをいれ、を三回繰り返した。途中でイチゴも入れて、クレープで巻いた。それからオレンジを絞り込んだ。それも男の子にオレンジが足りないと追加を持ってこさせるほど大量に入れた。それからわからないけど3種類のお酒をいれ、しばらくしてからグランマニエを少量くわえて、さらに加減を見て、少し待ってから、若い男の子にマッチを擦るように命じて、フランベして、火が消えるまで待った。それから皿に分けて、F氏の分のほかに親方の分も一緒に作ってくれた。ちょうどそれを作ってくれているときに、奥の部屋の上客の一組が帰るところだったが、普段なら丁寧に挨拶して送り出すだろうに、口では挨拶はしたが、眼は料理からまったく離さず、作ってくれたのは感動した。味は完璧。去年までのクレープシュゼットはおいしかったけど、やはり酒のアルコール分が残っていたが、残っておらず、しかも酒やオレンジの香りがよいぐあいに混じり合って、すばらしかった。その後、F氏はアマレットを貰ったが、サーブされるときに、これはRossi氏からのサービスだと言われた。でも、親方はもう飲みすぎで飲めませんでしたので、エスプレッソを貰う。

 クレープシュゼットを作っているのを見ていた上客らしいひと組が、同じものをやはりRossi氏に作るように頼んだが、それを見ていたF氏によると、作ったのはRossi氏で、もちろん丁寧だったが、作り方は前に我々が作ってもらっていたやり方だったとのこと。我々だけのために特別なものを出してくれたようです。本当にありがたい。店に着いたときに、さっきJerseyに着いたばかりだ、と言ったのもよかったのでしょうか?なじみになってくると普段出さないものも出してくれるのが、うれしいです。選んでもらったワインも本当においしかった。290ポンドちょっと。サービス料は含まれているが、別にお礼の意味でチップも置いていった。タクシーを呼んでもらって帰るが、店を出るときにF氏には頬を合わせての挨拶を求めていました。このあたりもイタリア式。帰る前に3日後の予約を入れる。

クレープシュゼット
クレープシュゼット。Tinoの特製。


2011.8.9

 今日は到着時にはRossi氏はおらず。またいつもの人もおらず、ときどきヘルプで見かける兄弟のほうが居た。話を聞くと、彼は一週間の休暇なのだそうな。去年もらった桃とシャンパンのカクテルをもらおうかと思ったら、桃がないという。なのでキールロワイヤルをもらって、メニューを検討。注文をとるのもRossi氏が居ないので、この兄弟。注文の後でRossi氏が顔を見せたが。F氏は前菜にエクルビスのカクテル、メインがドーバーソール。親方は前菜にカルパッチョ、メインはエイの料理。Skateという食材名を知らず、辞書を引いたらガンギエイの一種だそうな。ワインを薦めてもらうと、一本目はボスのお気に入りという白ワイン。もちろんおいしかったです。二本目も白を薦めてもらった。エイは軟骨があって、いかにもエイという白身で、アンモニア臭もなく、おいしかった。最後のほうにF氏は眠そう。蜂に刺されて、飲んだ薬の説明書には、アルコールを同時摂取することで眠気が出る可能性が書かれていたが、それでしょう。また来夏に来る旨を告げて、タクシーを呼んでもらって帰る。

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2012.9.12

 2012年もまたLa Capanninaで食べようと、Jerseyに到着した9/10の夕方に、ホテルの部屋から予約の電話をしたが、何度ならしても誰も出ない。フロントの近くでWiFiでネットにつないで電話番号を確かめたり、部屋の電話がおかしいのかと、フロントのお兄ちゃんの携帯電話を借りてかけたりしたが同じ。フロントの兄ちゃんは、営業が7時からなのだから、6時には電話に出ないのでは?って、そんなんでいいのか?でも7時過ぎても電話に出ず。あきらめに、着替えてから街に出て、La Capanninaに向かう。なんとなく街は停滞気味。La Capanninaに行くと、灯りがついていない!ホテルの近くのNelson's Eyeが変わったこともあって、La Capanninaまでか!と思ったが、雰囲気は変わらず、店の中のセッティングの様子も営業しているが今日は定休日という感じ。でも日曜日定休のはずだけど、今日は月曜日だし。おかしいなあ。で、結局実は祝日なのではないかという推理をした(実際には祝日ではなかったのだが)。ロンドンでは昼間に街の真ん中でパレードをやっていたし。予定が狂って、どうしようかと思い、La Capanninaの斜め前にあって開いている店、Gio's Restaurantというイタリアンレストランに入ることにする。

 翌11日の午後、途中服を見に行くF氏と別れて、La Capanninaを見に行くが、結局昨日と同じで休みのように見える。F氏と合流すると、F氏も残念そうで、自分も見に行きたいと。最近はJerseyへ来る楽しみの一つにこの店での食事があっただけに、2日休んでいるのは残念だし、なにがあったか心配です。なにせTino Rossi氏は高齢だしねえ。、ホテルに戻ってから、F氏がフロントの近くへ行って、パソコンをネットにつなぎ、La Capanninaにメールを送ってみる。念のために電話をしてもやはりつながらず。

 翌12日の朝、ネットにつないでもLa Capanninaからはメールの返事が返ってきていない。夕方部屋に戻って、念のためにLa Capanninaに電話してみる。すると、昨日までと反応が違う。話し中とのこと。3度目でつながって今晩の予約を取りたいというと、混んでいるからちょっと待てと言われ、だけど名前を名乗ってOK。予約が取れました!あきらめて今日はほかのどこへ行こうかと算段していたのに。あわてて、ネットにつないでみると、メールの返事が返ってきてました。月曜日はランチだけでディナーはやらないことにしたんだそうな。それから、電話は間違ってしばらくOFFになっていたと。おいおい、そんなんでよいのかねえ。でもやっていてよかった。なので、よければ電話でもメールでも予約を入れてくれとの返事だった。

 7時すぎに部屋を出て、La Capanninaに向かう。確かに混んでいて、予約のない客は全部断っていた。地元のよい客のパーティらしい。店に入ると、そこにちょうどTino Rossi氏がいて、迎い入れてくれる。健在ですね、よかった。予約がいっぱいなので、これまでにいたスタッフも次々と顔を見せてくれる。去年まで子供子供していたスタッフが、1年で身長も伸び、雰囲気も急に大人びていて驚いた。若い女性も、まえより落ち着いてサービスするようになった。前にももらった、熟したピーチとシャンパンで作ったカクテル・ベリーニをもらってメニューを見る。ベニスで有名なカクテルなのだそうです。悩んだ末、結局F氏はカルパッチョを前菜に、メインはロブスターのウィスキーフランベ。親方はガスパッチョを前菜に、メインはグラウズ(雷鳥)。ワインも白と赤を薦めてもらう。いつも小さなピザが初めに出てきたが、それとともに野菜スティックも出すようになったらしい。もちろんみんなおいしかった。特にウィスキーフランベは周囲の客が、なんだあれはと尋ねていた。デザートにはF氏はいつものクレープシュゼット、親方はカラメル。クレープシュゼットを作っているのを見て、またまたあれはなんだ状態。テーブルに持ってくる冷たいデザートにはないからねえ。隣のカップルも一つずつ頼んでました。そのカップルに話しかけられる。男性は4年日本に住んでいたんだそうな。金融関係らしい。いろいろな話をした。翌日の予約を入れてから、タクシーで帰る。

ベリーニ
ベリーニ


2012.9.13

 いつものように歩いてLa Capanninaへ。Tino氏は、今日はまた一段と素敵ですね、とF氏にあいさつ。誕生祝としてJersey Pearlで買ったパールのネックレスをつけていったからね。イタリア男性はよく見ています。今日はそれほど混んでいない。今日はキールロワイヤルをもらってメニューを検討。親方はブラックスパゲッティに、メインをドーバーソールに。F氏は、ラングスティンを前菜に、メインはフランベでなにかおいしいものをとの注文。Tino氏ははじめ腎臓を勧めたが、親方が2007年に食べた腎臓は、親方なら大丈夫だかF氏には苦手な程度の臭いがあったので、違う候補を尋ねると、ステーキというので、それをF氏は注文。ステーキといっても、子牛肉の薄切りで、味付けはDianeソースとのこと。親方も味見させてもらったが、大変おいしかった。一方親方は、この店で大好きなブラックスパゲッティを全部いただいてしまったために、メインのドーバーソールは全部食べきれず。まあ、ロンドンでF氏が食べたドーバーソールを一口味見させてもらったのよりも、魚が小さく、味も少し落ちたので、かまいませんが。食後のデザートに、F氏は新しいものとして、桃をフランベしたデザートをもらう。これがまたすばらしくおいしい。親方は甘くないものと言ったのだが、結局甘くて食べられず。帰りにTino氏にまた来年というと、やや言いよどむので、少し健康に不安があるのかも?マネージャーによれば、今年76歳だけど毎朝テニスやゴルフをしているというのだが、少し心配になる。

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2014.9.8

 2013年は7月後半から8月20日ごろまでLa Capanninaが夏休みだったため、Jerseyには来たけどお気に入りのこの店に入れず。そこで2014年はやっていることをあらかじめメールで確認しておいた。
 ホテルにチェックインしてからLa Capanninaに電話をすると今日はやっているそうなので、7時半に予約を入れる。前は月曜日の夜はやらなかったのに、やるようになったらしい。良いレストランだからちゃんとした服に着替えて、タクシーを呼んでもらう。いつもは歩いていくのだが、移動で疲れていたから。タクシーでレストランまで行くと、店の反対側の古い教会が工事をしているのが見える。前からいい教会だなとは思っていたのですが、ずっと、老朽化して危険なので入場禁止だったのです。ようやく修理がなされるようでよかった。昔Gio's Restaurantがあったところがなにかのレストランになっているのを見て、La Capanninaに戻ると店の前に昔から知っている若いスタッフ二人がいる。お兄ちゃんは本当に昔は子供だったのに、いまでは身長が180cmくらいありそうなほど大人になっていた。

 案内されて中に入ると、聞いてた通り改装されていた。入口の所にはバーができていて、そこで飲みながら席の準備ができるのを待てるようになった。そこで飲みながら待つか、席に着くかと聞かれ、では、と最初にバーで飲むことに。若い彼女が今日はバーの担当らしい。残念ながらベリーニはなかったので、シャンパンをグラスでもらい、小さなピザなどをつまみながらメニューを見る。メニューは基本的にはほぼ変わらないが、少し料金があがったように思う。悩んだ末F氏は前菜をおすすめ食材のラングスティンに、メインを季節のジビエのGrouseに。ラングスティンはどう調理するか尋ねられ、はじめは冷製はどうだとか言っていたが、メインとのバランスでいうと焼くのがいいだろうと言われ、その通りに。親方はカネロニを前菜にして、メインはこれもおすすめ食材のSoleにする。あとワインをもらう。以前は安くてうまいハウスワインをくれたが、今回はワインリストも渡され、お勧めを聞くと、いつもよりも高級なワインを勧めてくれるので、それをもらうことに。すこし経営方針が変わったかな?

 そのころに、昔からいるマネージャーと話をしていたら、Tinoは今日は来るけど、店には顔を出さないという。でも息子はいるよと、呼んでくる。だいぶTinoとは雰囲気の違う大柄な男性で、たぶん飲食業ではなかったと思うのが、新しくここで働き始めたらしい。Tinoももう80過ぎで高齢だから跡継ぎなんでしょうかね。話していると、我々も一度話したことがあった母親、つまりTinoの奥さんが店に入ってきて、また少し話をする。お嬢さんが2年間英語教員として日本に滞在したときに、日本に行ってあちこちいった話だとか、いろいろ。そうこうするうちに料理が準備できる。奥の部屋に移動して、ワインを飲みながら待っていると、前菜が運ばれてくる。F氏のラングスティンは少し小ぶりのものを焼いたのが10匹ほど。大変おいしかったとのこと。親方のカネロニも美味しかった。メインのグラウズは勧められたワインにぴったりだったとのこと。親方のSoleはこんな大きいのがいるのってくらい巨大で、長さ30cmを超えていた。骨を外すか聞かれたので、外さないでいいと答えると意外そう。日本人をなめるなよっていうより、こっちではほぼ全員骨を外してからサーブしてもらうようだ。大変おいしいSoleでした。F氏のメイン用の赤ワインは合わないので、前菜の残りの白ワインで食べる。上の半身を食べて骨を丸々外そうとしていたら、その骨を捨てる大きな皿をもってきてくれる。さすがに多くて全部は食べきれなかったけど大満足。F氏はいつものデザートを食べて、タクシーを呼んでもらってホテルに戻る。


2014.9.10

 ホテルに戻って少し休んでから、La Capanninaに向かう。以前はホテルの前を通る18番のバスは18時には終わってしまうので、町の中心部に夕飯を食べに行くときには歩いていっており、そういうものだと思い込んでしまっていたが、今はホテルの前を通る1番のバスは21時ごろまで走っているので、中心部の近くまでバスで行けば歩く距離は半分以下になる。Hill Streetにあるバス停で降りて、Queen Street経由でHalkett Streetを通ってLa Capanninaに向かう。。Capanninaには予約よりはやい7時15分ごろ入店。

 月曜日にはいなかったTinoはちゃんと居て、2年ぶりの再会を喜んだ。まだまだ元気そうで何より。少し背が曲がったかな、という程度で、本当に変わっていないのでうれしい。心配でしたから。今日はお客さんもすでに何組も入っているし、スタッフも普段は居ない、マネージャーの兄弟もいて、多くのお客さんが来て忙しくなる予定らしい。実際、テーブルは地元客でいっぱいのほか、あとで見たら店の奥にあるパーティー用の個室も使われていた。

 今日は手前のバーではなく、直接テーブルに座って、グラスシャンパンを飲みながらメニューをもらって吟味。お勧めはおとといと何も変わっていないらしい。でも、おとといと違っていろいろなお勧め食材を見せに来てくれる。結局F氏は、お勧め食材のイチジクとハムを前菜に、メインはロブスターのウイスキーフランべ。親方は前菜をカルパッチョにして、メインをサーモンのグリルにしてみる。親方はあまりサーモンを食べないのですが、サーモンにオランデーズソースをあわせるというのが想像できなかったので、試してみたくなって。前菜のカルパッチョは、その前にベネチアでカルパッチョ発祥の店Harry's Barに行ってきた直後ということもあるのか、それほど大して美味しいとも思わなかった。しかし、F氏の頼んだイチジクとハムを少し分けてもらったが、これは相変らず絶品だった。メロンより絶対にこっちのほうが美味しい。もちろんイチジクの質にも因るのだろうけど。親方のメインのサーモンは普通に美味しいが、オランデーズソースかというとちょっと違う気がする。まあ、面白かったからよいが。ロブスターも少しもらったが、これは安定の美味しさ。ワインも二本飲む。デザートにはいつものクレープシュゼットをF氏はTinoに作ってもらう。周囲のテーブルからあれは何との声が上がるのはいつものとおり。ほかの客には出ないからね。

 タクシーを呼んでもらってホテルに帰ると11時前。気分よく酔いました。


2014.9.11

 6時半ごろに着替えて、またバスで中心地に向かい、今日もLa Capanninaに。去年悪くなかったDockyard Restaurantがあまり美味しくなかったので、料金が高いのはあっても、やはり満足感の高いLa Capanninaで最後の晩を過ごそうということになる。

 La Capanninaにはやはり予約よりも早い7時10分ごろに到着。またTinoらと挨拶してからバーで飲まずにテーブルへ。International Air Displayは見たのか?とたずねられたので、見ていないが聞いた、と答えたらうけた。そのくらい飛行機の爆音はどこでも聞こえた。今日はF氏は前菜をガスパチョ、メインはドーバーソール。親方は前菜をアスパラガスを溶かしバターで、メインはシーフードリゾットにする。どちらも美味しかった。このところご馳走を食べ続けて大分胃腸が疲れてきていたので、やさしい味でよかった。F氏のドーバーソールは三日前に親方がもらったソールよりも2回り小さい。さすがにあの日のは特別だったのですね。あそこまで大きくはなかったけどたいへんおいしかったそうです。また来年来るとTinoらと挨拶。タクシーを呼んでもらってホテルに帰ると11時前。

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2015.9.15

 ホテルから電話を入れて7時に予約を入れる。着替えて、ホテルの前のバス停から1番のバスに乗り、町の中心の近くで降りて、街の様子を眺めたり、ウィンドショッピングをしながら店へ向かう。しかし、早く行き過ぎて店の前には6時半に到着。店の前に貼られているメニューを眺めたりしていると、まだ時間が早いが、何年も前の子供のころから働いている若いスタッフが、ひげを生やして、少し雰囲気を変えて店から出てきて、新人とどこかへ向かう。もう少しすると、これも同じころからいる若い女性スタッフが顔を出す。まだ7時には早いが、入り口の近くに行くといつの間にか店の入り口の表示が、OPEN表示に変わっていて、いつもの若いマネージャーが顔を出して、まだ早いのに店に入れてくれる。

 入り口の近くのウェイティングスペースに座って、野菜スティックや一口ピザを食べて、グラスシャンパンを飲んで、メニューを吟味する。そのうちにさっきの若いスタッフが新人を連れて、おすすめ食材を見せに来る。ラングスティンやサーモンなどを勧める。それからメニューの中で分からなかった、小さなムール貝も少量出してくれて、それも味見させてもらう。その後いつものTinoがやってきて挨拶。それからTinoが注文を取りに来る。F氏は前菜にラングスティンの茹でたのをそのまま、メインは雷鳥グラウズに、親方は前菜をパテにして、メインをラムの腰肉にする。それから奥の食事の席に案内される。今日は特別にいい席に案内される。それだけいい客と思ってもらえるのはありがたい。まあ、毎年日本から行っているからねえ。お願いしていた赤ワインはすでに栓が抜かれてデキャンタされてテーブルに置かれている。

 F氏はいくつ食べるんだ、と言われてまずラングスティンを4匹もらい、追加で2匹もらったが、追加で二匹ですね、と言ってロブスターを二匹持ってくるとか、なかなか冗談が効いているサービスで楽しい。もちろん美味しかったとのこと。パテはレバーの味が強いので、レバーがダメな人は全く駄目だろうと思うもの。親方はレバーが好きなので美味しくいただきました。メインのグラウズもラムもどちらも美味しかった。しかし、疲れていてワインも飲んで、眠くなってきてしまい、デザートをもらわずに帰ることにする。以前よりもいいワインを勧めてくれるようになったので、ワイン代が二本で165ポンドと高かったが、特に一本目のワインはすばらしい味で満足。帰る前に、いつも歓待してくれる87歳かな、のTinoだが、今度の日曜日が誕生日とか聞いていたので、日本からのお土産とバースデイカードを渡す。仕事中なので開けてゆっくり見てもらうことはできなかったが、喜んでもらえたと思う。帰る前に、今年はあと二回来る予約を入れる。帰るころには強い雨になっていた。タクシーで10時過ぎにホテルに戻る。


2015.9.17

 この日も7時過ぎに予約をれてある。今日はマネージャーの弟のほうもいるので混んでいるのかも、と思ったが、先日もいた女性スタッフは休みらしい。また手前の部屋でグラスシャンパンを飲みながら、ミニピザなどをつまんで、メニューを眺める。結局F氏はHam & Figを前菜に、メインはロブスターをウイスキーフランベで。親方は、前菜をロブスタースープにして、メインはDover Soleにする。ワインもお願いして、しばらくして席に案内されると今日もワインは抜いてデキャンタしてある。すぐに前菜はやってきた。F氏のHam &Figは、前よりもハムの脂が多めのように思うが、今日のイチジクにはそれがぴったり合っていたとのこと。親方のロブスタースープには、何か強いお酒を温めて火をつけ、それを注ぎ込んだあと、クリームを少し入れてくれたが、このお酒のアルコール分が強くて驚いた。おいしかったけど。メインのロブスターとドーバーソールも美味しかった。F氏はまたTinoにデザートを作ってもらう。今回はまたワインが高くなって、2本で200ポンド。次々といいワインを出してくれているのか。おいしいのでうれしい限り。しかし、魚でも毎日赤ワインなんだなあ。ホテルにタクシーで帰ってくる。

ロブスターのウイスキーフランべクレープシュゼット
ロブスターのウイスキーフランべとクレープシュゼット。どちらもコンロをテーブルのそばに持ってきて目の前で仕上げてくれ、毎回周囲の注目を浴びる。写真を比べると2008年のときと違うが、作ってくれる人が違うからもあるし、何度も通っているのでサービスしてもらっているのだろう。

2015.9.19

 この日も7時過ぎに予約してある。店は土曜日なので混んでおり、今日はウエイティングルームではなく、直接席に案内される。いつもの女性スタッフが、これはTinoからだとグラスシャンパンを注いでくれる。これがまたすばらしく美味しいシャンパンだった。なんだったのだろうねえ。すぐにTinoがやってきて、先日渡したお土産のお礼を言われる。日曜日に皆でお祝いする際に皆のプレゼントと一緒に開けるとか言っていたのに、我々が今日までなので先に開けてくれたらしい。日本のものだが、お嬢さんがしばらく日本にいたというので、日本のものもわかるだろうし、取扱い方も調べてわかってもらえると思う。F氏はカルパッチョを前菜に、メインはロブスターテルミドール、親方は前菜にイカ墨のスパゲッティにして、メインに雷鳥グラウズをもらう。最後にF氏はデザートに、サバイヨーネクリームをのっけた苺でした。この日は混んでいて、隣ともう一か所でバースデイのお祝いだった。この店でお祝いしてもらえるなんて幸せな子供ですねえ(もうひとりは年配でしたが)。ゆったり最後の夜の食事を楽しんでタクシーでホテルに帰る。

イカ墨スパゲッティ
イカ墨スパゲッティ

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2016.9.17

 昼の1時ごろにLa Capanninaに予約の電話をかける。電話したF氏によれば出たのはTino本人だったそうな。はじめは今日は満席だと言われたが、気づいてくれたようで、名前はと聞かれ、名乗るといつでも開けて待っているから大丈夫と言われる。事前にJerseyに来る日を連絡してあったので、わざわざ1席確保していてくれたらしい。ありがたいことです。今回の滞在では3回行こうかと考えていたが、いつを一番着飾っていくべきかとF氏が尋ねるので、週末の今日ではと答えたが、結果は正解だった。
 店の入り口には満席と表示されていたが、こんなのみたのはたぶん初めて。本当に混んでいるらしい。7時少し前に入店。いつも店を仕切っているスタッフ、2年前にも会ったTinoの息子(1964年生まれと判明)、若い女性スタッフなど顔なじみの人たちとあいさつ。でもバンビーノと呼んでいた若い男の子は見えず。聞いてみると、ほかに移っていったそうな。その代りニューモデルが来たと、もっと若い男の子を連れてきた。本当の兄弟で、イタリアから連れてきてまだ英語を勉強中なんだとか。まあ、イタリア人のいうことなのでどこまで本当なのよくわかりませんが、あまり英語が得意ではないのは事実。それ以外にも見たことがないスタッフがたくさんいて驚く。良い席に案内されて、グラスシャンパンをもらいながらメニューを見て、いろいろ話をしていると、Tinoが登場。挨拶をする。元気そうで何より。そのタイミングでは逃したがTinoがオーダーを取りに来た際に日本から持参したプレゼントを渡すと、翌日にTinoの誕生パーティーが開催されるそうで、そのときに開けさせてもらうと喜んでくれる。
 F氏は前菜にハム&フィグ、メインは雷鳥グラウズ。親方は前菜にブラックスパゲッティ、メインはパートリッジ。ワインはいつも通りTinoに任せて勧めてもらう。そのころには次々と客が入ってきて大混雑。こんなに混んだ日は見たことがありません。トイレの奥に普段は使わずに大人数のパーティなどで使う部屋があるが、そこに次々と客が入っていくほかに、手前の部屋もすべてテーブルが埋まる。席に着いてからもオーダーをとるまでに時間がかかるほど、普段よりも多数のスタッフがいるのに手が回っていない。もっと大変なのは厨房で、料理がなかなかでない。仕方がないねえ、これだけ客が入ると。我々は最初に入ったからほとんど待たされてはいないけど。
 奥の客が出入りする通り道の脇にわれわれの席はあるので、誰もがどいつがこの席に座っているのだろうと見て通っていく。どうやら、今日は奥の席にこの店の上客がたくさん集まったようです。店にとってはその誰かを一番いい席に案内すると他の客とのバランスが悪いとかそんな理由でわれわれをこの席に置いたのではないかと想像した。毎年日本から食べに来てくれる客、ってのは上客にもよい言い訳になるでしょうから。
 F氏のハム&フィグはやはりすばらしいでき。この店の今の時期のイチジクは本当においしく、ハムとの相性は抜群。F氏は注文の際にフィグ&ハムと逆に言ったほど。親方のスパゲッティも何回も食べているが大好き。イカ墨を練りこんだ自家製パスタは実においしく、それをクリームソースとサーモンがバランスよくまとめている。メインだが、両方この店で教わった鳥。その際はグラウズは大きい鳥で、パートリッジは小さい鳥、と訳が分からない説明だった。今回は二人が別にとって食べ比べようという趣向。全く違う種類の鳥でしたね。グラウズは血の香りの強い鳥なのに対して、パートリッジは鶏肉に似た肉質でした。両方美味しいけど、今日の調理ではグラウズは血のにおいがきつく、F氏はやや不満だった模様。本来ならF氏がここで美味しいデザートをもらうのだが、手が全く回っていない状態なのでそれは頼まず、タクシーをもらって帰ることにする。こんな混んでいる日に入れてもらって本当にありがたかったし、着飾っていってよかった。親方もイタリアのナショナルサッカーチームのネクタイピンをしていったので、イタリア国旗だ!と気が付いてくれて喜んでくれました。

ハム&フィグ
ハム&フィグ。メロンが有名だがイチジクのほうが美味しいと思う。
Grouse
ライチョウGrouseグラウズ。これはF氏の注文なので、原則骨をはずしてサーブしてくれる。
Partridge
ヤマウズラPartridgeパートリッジ。こっちも骨をはずしてサーブしてくれた。見ただけでも鳥の実の色が違うのがわかる。メルバトーストの上にパテも載っているが、何のパテか聞き忘れた。

2016.9.19

 一昨日と違って月曜日の今日はさすがに空いていてよかった。Tinoは会うや否や素敵なプレゼントをありがとうと言ってくれる。気に入ってくれたようでよかった。また、F氏にこの店の50周年記念で作った缶バッジもくれる。土曜日に来たときはスタッフ全員が胸につけていたものです。
 食前酒にベリーニはないかというと、ありそうだったのだが、奥に行くと今日は桃がないと言われ、じゃあ、キールロワイヤルはどうかと言われて、それでお願いと言ったが、すぐにTinoがやってきて、ベネチアなんかで飲まれるなんとかはどうだ、と言われ、じゃあTinoがいうのならと、結局途中まで準備したはずのキールロワイヤルもキャンセルされて、それがでてくる。ゴンドリエとか言っていました。シャンパンにイチゴやオレンジが入っている飲み物で、フルーツゆえに少し甘め。しかも量が多い。ちょっとほしいものとは違ったが、まあいいでしょう。
 F氏は前菜にカルパッチョ、メインはロブスターのウイスキーフランベ、親方は前菜にゆでたラングスティンを剥いたもの(8尾)をマヨネーズソースで、メインはJersey Plaiceをもらう。カルパッチョは、Tinoがやってきて、普通のやり方かそれとも私独自のやり方、どっちがいい?と聞くので、もちろんTino流でとオーダー。ラングスティンも安定しておいしい。ウイスキーフランベもTinoが目の前で作ってくれるが、どれだけウイスキーを入れるってのは毎年のこと。おかげでフランベしてもウイスキーのアルコール分がたっぷり残っています。親方のJersey plaiceも普通においしかった。当然F氏はデザートとしていつものクレープシュゼットをもらう。これも作ってくれるのはTino。これもたっぷりのアルコールをかけて。アルコール漬けですね。さすがにお酒の強いF氏も、ワインを飲み残したほど。この日は珍しくTinoがほとんどのテーブルに対してサーブしていた。親方はデザートは食べずコーヒーだけ飲んでタクシーを呼んで帰る。楽しくて美味しかったけど、飲みつかれた。

食前酒ゴンドリエ
食前酒ゴンドリエ

カルパッチョ
カルパッチョTino流。なにがTino流なのかわからないが、たぶんオリーブオイルのかけ方かチーズの降り方なのだと思う。

2016.9.21

 7時半ごろ到着したが、今日もまた歓待してくれる。席に着くと、今日はベリーニはあるぞ!と言ってくれる。いつもの女性スタッフが、今日は私が桃を買いに走ったのよとか言ってくれる。ありがたいことですねえ、おととい飲めなかったからとちゃんと用意してくれるのだから。そうやって飲むベリーニは素晴らしくおいしかった。それと今日は親方にも50周年のバッジをくれた。
 今日はまず二人とも前菜にガスパチョスープ、その後シーフードリゾットを二人で分けて、それから各自メインを食べるということにする。F氏はGrilled Lamb Cutlets、親方はVeal Chop in Sage & Butterにする。ここのガスパチョは本当においしい。鮮烈で酸味が良い具合で。シーフードリゾットも安定の美味しさ。シーフードのだしがよく出ています。メインのラムは、ミントのソースだったが、F氏はこれがあまり好きではないとのこと。ラムは美味しかったそうだが、ミントが強すぎて歯磨きみたいと。ラムにミントはウェールズでは定番なので、ひとつもらった親方には美味しかったですが。子牛は柔らかい味付けで子牛の味が引き立っていて美味しかった。ラムのお返しにF氏にも切っていくつか食べてもらったが、気に入っていた。デザートにはF氏はクレープシュゼットはやめて、サバイオーネをTinoに作ってもらう。英語で言えばカスタード。これも大層おいしかったとのこと。今日のこの店は9時から奥の部屋に十数人の男性のみの団体。料理も含めて予約してあったようで、すぐに料理も出ていたが、近くに行くととんでもないニンニクの香り!たしかにあれは奥に隔離すべきですね。また来年とTinoや多くのスタッフとあいさつして、タクシーを呼んでもらう。

シーフードリゾット
シーフードリゾット。これは取り分けてもらった後のサイズで、1人前のメニューはもっと多い。
Veal Chop in Sage & Butter
Veal Chop in Sage & Butter

サバイオーネ
サバイオーネ

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2017.9.2

店の前に着いたのが開店の10分近く前だったが、入り口前の黒板に書かれた今日のおすすめを見ていると、中から我々を見つけたのか、早めに店に入れてくれた。Tinoがいないときのマネージャーがいるほか若い見慣れない人などがいて、少しずつ知った顔も挨拶に来てくれました。Tinoの息子のアランと若い男性スタッフ二人の計3名は横縞の囚人のような服を着ていて違和感があるが、聞くとベネチアのゴンドリエの服なんだそうな。それを聞いてもまだ違和感がありました。前のほうがいいと思うけどねえ。食前酒にベリーニはどうだ?と聞いてくれる。うれしいですね。たぶん我々が来るはずだからと事前に桃を用意してくれたのでしょう。こういうところが本当にうれしい。
 メニューを渡され、食材を見せながらお勧めを説明してくれるが、これはTinoがいるときはいつもTinoがやってくれたのに、今日は若いマネージャーの仕事。Tinoは電話に出たからいるはずなんだが、顔を見せず。注文を聞くのも若いマネージャーで、F氏は前菜がハム&フィグでメインにラングスティンのウイスキーフランベ、親方は前菜がガスパチョ、メインをドーバーソールのフィレのコリアンダー味というのを試そうと思ったら、これは前菜なのでスープとこれでは量が足りないと言われ、ドーバーソールのレモンバターソースにする。ワインも2本薦めてもらうが。これも以前はTinoがいれば必ずTinoがしてくれたが、若いマネージャーが選んでくれる。初めは白で、これをデキャンタして出してくれたが、大変香りのよいワインだった。そうしているとTinoが登場。挨拶して、持参のお土産を渡す。息子のアレンが、ハムは新しく仕入れた業者のものを2階で切っているのだ、と言っていたが、確かにハム&フィグのハムは以前と見た感じが少し違う。味も少し違うらしいが、1年前との微妙な差なので具体的には難しい。親方のガスパチョは以前と変わらず野菜を食べるやさしい味のスープ。メインのラングスティンは12匹ぐらいいたのかな?味噌の入ったやつが特に美味しかったそうな。ドーバーソールはいつものごとく骨を外さずに出してもらう。これもいいドーバーソールでした。メインは二人とも魚系でしたが、勧めてくれたのはこれもデキャンタした赤。ちゃんと合いました。F氏はいつものクレープシュゼットをもらい、Tinoに作ってもらう。土曜日の夜ということもあり、そのころには店は大混雑でした。次回の予約をして帰る。  

ウイスキーフランベ
テーブルの隣でウイスキーフランベをしているところ
ラングスティン
ラングスティン。前菜で出てくるときは6匹ぐらいだがメインなので12匹ほどと豪華。
Tino Rossi
Tino Rossi氏がクレープシュゼットをつくってくれているところ

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2017.9.4

7時少し前に店に到着。今日はアランたちはゴンドリエではなく、普通のサービスの格好(つまり蝶ネクタイ)。聞くと先日はイタリアの夏の終わりのお祭りだからあの格好だったのだそうな。テーブルに案内されると、これはMr. Rossiからですとシャンパンを1本くれる。前回に渡したお土産のお返しですね。期待していませんがありがたいことです。実際、このシャンパンは美味しかった!お酒に詳しいF氏も知らないシャンパンだったそうな。
 F氏は前菜にビシソワーズ、親方はアボカドとサーモンタルタル、それにジンジャーという料理にしてみる。ビシソワーズはなぜか緑色。正式なビシソワーズにミントが入っているのだそうな。親方は普段アボカドもサーモンもまず食べないのだが、なぜか注文しようと思ったのだが、意外においしかった。トーストがついてきてそれの上にのせて食べるのだが、アボカドとサーモンの油分を薄切りのジンジャーがさっぱりさせてくれた。ただし、前菜としては量が多すぎるのは問題。全部いただきました。その後、シーフードリゾットを二人でシェアすることにした。これが実に美味しいリゾット!魚介類から出るスープとエビカニ類の味噌の味が素晴らしい。これも全部いただく。メインはF氏がグラウズ、親方は1/2匹のロブスターのガーリックバター。F氏のグラウズは季節ですね。いつもの血の味だそうな。親方のロブスターはちょっとガーリックが強すぎると思う。その前に食べすぎたこともあって最後までは食べられなかった。その前に頼んだ赤ワインも美味しく飲んで、デザートは食べず。  

アボカドとサーモンタルタル&ジンジャー
アボカドとサーモンタルタル&ジンジャー
グラウズ
グラウズ。ライチョウの一種で大変美味しい野鳥。

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2017.9.6

8時ごろに店に到着。テーブルに着いてまたベリーニをもらい、メニューを検討。F氏は前菜をカルパッチョ、メインをロブスターのテルミドールにする。親方は前菜をロブスターのビスクスープ、メインをBaby Chickenというのにする。カルパッチョは先日のハム&フィグと同様に肉が変わったと思う。Tinoは自信をもって作ってくれるが、F氏は前のほうがおいしかったと思うという。やはり仕入れ先変更の影響なのでしょう。親方のスープは大変おいしい。
 メインのテルミドールも、以前のテルミドールよりもマヨネーズソースに近く、F氏の好みではないとのこと。親方のチキンは、小さな鶏一羽。相変わらず骨を外してもらわなかったのでちょっと食べにくいが、肉としては大変おいしかった。ワインもいつも通り飲んで、タクシーで帰る。  



2017.9.7

7時半過ぎ店に到着。テーブルにはなにか置いてある。我々が明日ジャージーを離れるのを話してあったので、Tinoへのプレゼントの返礼を兼ねた餞別のチョコレートだとのこと。ありがたいことですが、荷物の重量制限にひっかからないようにするにはちょっと重いねえ。今日は何を飲む?ベリーニか、ほかのものにするか?と聞いてくれる。違うのにしようかとも思ったが、ベリーニはどうせ我々のために新鮮な桃を用意してくれたのだろうと思っていたから、その気持ちを汲むためにもやはりベリーニを頼むことにする。するとやはりいつもの若い女性スタッフが朝桃を買ってくれていたことが判明。ありがたいことですし、よかったです。
 メニューが昨日までとはおすすめが変わっていた。親方の大好物のBlack Spaghettiを今日は二人で分けることにして、その前の前菜としてF氏は何を食べたのかな、親方は野菜スープ。野菜スープと英語では書いているけど、イタリア語ではミネストローネとありました。このミネストローネがまたすばらしくおいしかった。Black Spaghettiはイカ墨をパスタに練りこんだものに、サーモンのクリームソースがかかっているが、何度食べてもここのはおいしいと思う。サーモンのソースの少し強めの塩気がイカ墨の麺によくあっている。F氏も、いつもだと親方から一口しか分けてもらえなかったので、今回はしっかり食べられてよかったと今更ながらに言っていた。言ってくれればもっとあげたのに。メインは、F氏はロブスターのウイスキーフランベ。F氏はこれが好きですねえ。昨日のテルミドールがあまり好みではなかったので、そのリベンジらしい。親方は新しく今日からメニューに載った鶉。一皿に二羽載っています。親方は大好きなんですよね、鶉とか鳩とか。今日も骨を外してもらわなかったので、小さな鶉は食べにくいけど、実においしい鶉だった。F氏はデザートにサバイヨーネをTinoに作ってもらう。隣のテーブルの客も、それを見てあれは何だと、結局サバイヨーネを4人前注文して、ワゴンに用意されたたくさんのデザートの中からは選ばず。もっともTinoが作ってくれるのはF氏にだけなんですけどね。ありがたいことです。
 スタッフにまた来年と言って別れるが、Tinoだけはまた来年とは言ってくれず。やはり自分が来年も元気でいられるかについては不安があるのでしょう。それでも普通は客に対して言いそうなものだけどねえ。それを言わないのもTinoらしいのですけど。 



2018.8.22

 2018年も日本からのお土産をもち、買ってきたカードにメッセージを書いて、やってきた。店に着いたのが7時半。入ったら、入り口付近も客はいっぱいいたが、その先にTinoの顔が見える。元気そうで何よりです。昔からいるスタッフ一人一人とあいさつして、テーブルに向かう。いつもはお勧めの食材をテーブルに持ってきて説明してくれるが、今日は途中においてあるところで、ここで見ていけと。席は相変わらず良い席を用意してくれている。席でお土産を渡すと、喜んでくれ、こちらからもとチョコレートをもらう。中にはメッセージカードも入っていて、事前に用意してくれたのですね、ありがたい。またベリーニはいかが、と言われる。行くことを伝えてあったので、また用意してくれていたのですね、ありがたいです。しかも今日もベリーニは桃がフレッシュで香りもよく特においしかった。
 料理は、F氏が前菜にハム&フィグ、メインはロブスターのウイスキーフランベ。親方は前菜にスライス肉にツナソースという初めて頼むメニュー、メインはJersey Plaice。またTinoにワインを勧めてもらったが、今日は特に一本目の白がよかった。白なのにデキャンタしたもので、単体で飲んでも前菜にあわせても美味しかった。ハム&フィグは去年からハムが変わって去年はいまひとつだったそうだが、今年のは去年より美味しいハムだったとのこと。親方の前菜は見た目がよくわからない真っ白な平らな料理で、何だろうと思ったら、火の通した薄切り牛肉の上に緩いツナマヨソースがかかったものでした。親方はツナマヨはあまり好きではないので失敗でした。まずくはないけどね。肉料理の上に魚のソースって不思議だと思って頼んでみたのですが、ツナソースってのはツナマヨのことだとは知りませんでした。F氏のロブスターはいつも通りに美味しかったそうです。例年Tinoがフランベをしてくれるのですが、その際にはウイスキーを入れすぎるくらい入れるのに、今年は違う人が作ってくれたので適量だったのでよかったそうです。親方のJersey Plaiceもいつも通りに美味しかった。デザートはF氏は定番のクレープシュゼット。変わらない美味しさだったそうな。親方はカラメル。混んだ店にいい席を用意してくれてありがたい。店の調子はどうと聞くと、店は順調だそうな。よかったです。町が少し観光客が少ないように思えたので心配していました。 

薄切り牛肉のツナマヨソースとJersey Plaice
薄切り牛肉のツナマヨソースとJersey Plaice


2018.8.24

 Snow Hillのバス停を降りて店に歩いて向かう間に雨が降り始め、少しずつ強くなる。傘はホテルに置いてきてしまったから、あわてて店にまできたが、まだ開店の7時の10分前。入り口のひさしのところで雨宿りしながら、昨日と変わらない黒板の今日のメニューを眺めていると、まだ開店時間前なのにドアを開けて入れてくれた。
 さすがにまだTinoはいないが、皆が準備しているところ。すぐにテーブルに座らせてもらい、ベリーニは?と聞かれるのでもちろんともらう。F氏は親方より早く飲んで、もう一杯どうだと言われていたが、さすがにベリーニ2杯はしつこいからとやめていた。ほかの客にもベリーニを勧めていて飲んでいる人も多かったので、桃をたくさん買ったのでしょう。そのうちTinoがきてくれて挨拶。F氏が前菜にラングスティン、メインはグラウズ。親方は前菜をロブスターのリングイネ、メインをBaby Chicken Roastにする。ラングスティンはいつもと盛り付けが変わって、頭はひとつだけ盛り付けて、あとは身を外してくれてあったので食べやすかっただろう。サーブする若い人がもう十分と言ってもソースをかけようとするのがちょっと不満だが。親方のリングイネも絶品。本当においしいパスタで、ロブスターの身が半分入っているのじゃないかな?ロブスターのうまさがよくリングイネとあって、メインのことも考えずに完食してしまった。グラウズはシーズンに入ったばかりだが、十分美味しかったそうだ。親方のチキンも特別ではないが普通においしいチキンだった。ロブスターのリングイネを食べたかったのでメインは少し軽いものにしたので問題なし。ワインもTinoに勧めてもらって白と赤をもらったが、赤はスーパートスカーナだったらしい。相当美味しいワインでした。お値段もよかったですが。デザートにF氏はサバイヨーネをもらう。その後グラッパを1杯ずつ飲んだ。相変わらずおいしかったし、サービスも含め楽しかった。みなとまた明日と言ってホテルに帰る。



2018.8.25

 今日は店の前にFully Bookedとの表示。直前に頼んだのに入れてもらえてありがたいことです。結構な人数が入る店なんですが、過去にこんな表示が出ていた日があったかなあ。入り口の黒板の料理を眺めて、ここよさそうとか言っている人が、入れないのに気がつき、タクシーに乗り込んでほかの店に行くのも見た。
 店は本当にすごく混んでいる!開店時間のほぼ7時に入ったのに、すでに座っている客はいるし、Tinoももう店で仕事をしている。今日が最後なんだろ、とシャンパンを1本もらったが、その前にいつもの若い女性スタッフがいつも通りベリーニでいい?と聞きに来てくれて、少し混乱。両方喜んでいただきましたが、店のスタッフ間での情報共有が十分にできていないほど混んでいるようです。それと前のプレゼントとは違うもうひとつのチェコレートをもらう。持って行ったおみやげがお気に召したのだったらよいのですが。
 F氏はカルパッチョとドーバーソール、親方はガスパチョとラムの焼いたのをもらう。シャンパンのあとメインの酒はどうするかと言われ、いつも通りTinoに任せるというと、実は赤を用意していたのだが、と。ドーバーソールにはあまり合わないワインのよう。しかも席に着いた時にはすでにそのワインもデキャンタのセットもテーブルの上に置かれていたのです。勧めてくれるものでいいと言ってそれをもらうと、前日とはまた違うスーパートスカーナだそうな。料理はおいしいですが、ちょっと店があわただしすぎる。いつものようにゆっくり冗談を言う余裕もないみたい。まあ、短く冗談は言っていくが。ラムは骨付きのが4本もあって美味しかったけど食べきれなかった。残ったワインをゆっくり飲む。デザートはどうだと言われるが、あまりに皆がばたばたしすぎているし、我々は甘いものがそんなに好きなわけではないので、デザートを食べずに会計してもらって、皆に挨拶して帰る。今年はTinoもまた来年の夏、と言ってくれたのがうれしい。ここ数年言ってくれなかったからなあ。



2019.9.16

 2019年は9月に。もちろん予約は入れてある。開店の7時をすこしすぎて到着。いつもの見慣れたスタッフたちに一人ずつ挨拶。席に座ると、Tinoからだと、いいシャンパンを開けてくれる。ありがたいねえ。たしかにおいしいシャンパンです。これを飲みながらメニューを精査していると、Tinoが登場。去年よりもまた一層元気になったようでよかった。挨拶をして、日本から持参したTinoへの誕生日プレゼントと日本のお菓子を渡すと、逆にプレゼントだと大きなチョコレートの入ったボックスをくれた。こっちがプレゼントを持っていくのを事前にわかっていたように。よい関係ができています。
 F氏はロブスターのビスクスープとドーバーソール、親方はガスパチョスープとSaddle of Lambにする。我々が最初の客だったが、このころになってほかの客も続々とやってくる。前にも見た同じ会社の重役らしい8人ほど(ただし、最初の予約時には11人分の席があったのにきたのは8名のみだったし、Tinoはここには近寄らないから、上客としては扱われていないらしい)、Jersey政府の結構重要な役職らしい人とその奥さんなど4人連れ、Tinoのゴルフ仲間大勢(Tinoがマフィアと冗談で言っていたからイタリア系の集まりだろうか)など。どれも店からしたら重要そうな客ばかり。なので、店のスタッフ達もずっとあわただしく緊張感をもって働いている。なかなか前菜のスープが来ないなあと思ったら、シャンパンを飲み終わるまでスープを出すのを待っているか、それとももう出していいかと尋ねられる。ああ、そうだったのですね。1本のシャンパンを飲み終わらないと前菜に行かない客もいるのですね。我々はすぐに出してとお願いして出してもらう。
 F氏のビスクスープにはその上にラム酒だったかの熱したものをかけ、その上からクリームをかけてくれる。しかし、アルコールが飛んでいないらしい。F氏がよく注文するロブスターのウィスキーフランベに似た状態だったらしい。親方のガスパチョは、最初にスープが来て、その上に4種の野菜のみじん切りを好みに合わせて入れ、最後に黒コショウをかける。スパイシーで非常においしかった。メインにあわせてもワインを一本もらった。ドーバーソールとラムだから両方に合わせるのは難しそうだが、イタリアの赤ワインをもってきて事前にデカンタしてくれる。F氏によれば結構入手が難しい有名ワインらしい。確かに飲んでみると両方の料理によく合った。ドーバーソールはF氏が大満足だったよう。いいドーバーソールだとのこと。Saddle of Lambはこの店の料理として、必ず名前が挙がる料理。シーフードがおいしいからついついそっちを食べることが多いが、ひさしぶりに食べるこの料理は以前よりも一段とおいしかった。グレービーソースと、そこにミントソースを合わせて、これがラム肉によくあっておいしかった。デザートとしてF氏はサバイヨーネをもらう。タクシーを呼んでもらって帰る。帰るときにはまたTinoにも挨拶をする。楽しかったし、おいしかったし、素晴らしいサービスに満足しました。

ロブスターのビスクスープとガスパチョスープ
ロブスターのビスクスープ(左)とガスパチョスープ(右)。ビスクスープの上に浮かんでいるのは、後からかけたクリーム。ガスパチョには野菜のみじん切りが入れられている。
ドーバーソールとSaddle of Lamb
ドーバーソール(左)とSaddle of Lamb(右)。ドーバーソールはF氏が食べやすいように骨を外してくれている。レモンバターソースだったかな?ラムはグレービーソース。これらの横の別の皿に付け合わせの野菜がつく。
若いほうのマネージャーがテーブルの横でサバイヨーネを作ってくれているところと、できたサバイヨーネ
若いほうのマネージャーがテーブルの横でサバイヨーネを作ってくれているところと、できたサバイヨーネ。通常のデザートワゴンで持ってくるデザートと違って、この手のはメニューにはない。なので請求されるまでいくらだか知らない。スプーンが二つあるのは、いらないと言っている親方も少しは食べるだろう?という配慮。

2019.9.18

 今日もLa Capanninaに行くと、Tinoが待っていてくれた。グラスシャンパンを飲んでメニューを考える。F氏は前菜がラングスティン、メインはグラウズ(ライチョウ)。親方は前菜にロブスターリングイネ、メインは子牛肉のトマトガーリックソース。それとワインを薦めてもらう。メイン用の赤はすぐに来たが、前菜はもう赤で始めるか、それともグラスシャンペンをもう一杯飲むかと聞かれた。なので、白のボトルを一本薦めてもらう。これがまたおいしいシャルドネでした。
 ラングスティンは相当おいしかったようですが、殻をむくと食べるところは少なく、6尾でも量が少なかったようでした。親方のリングイネは安定のおいしさ。ロブスター半身分のおいしさがリングイネにまとわりついていました。前菜として食べるにはちょっと量が多いのだけど、もったいなくて全部食べちゃいました。F氏のグラウズは血の味がするジビエで、季節ですねえ。おいしかったそうです。親方の子牛は、個人的にはもう少しガーリックを抑えたほうが好みかな。おいしかったけど。
 今日も混んでいたからか、デザートトロリーのデザートしか薦めてもらえず、F氏の好きなものは出ず。F氏は世界一おいしいと若いスタッフが言ったティラミスを。そこまでの味ではなかったそうですが。親方はカラメル。甘いものは苦手です。コーヒーも飲まず、タクシーを呼んでもらう。いつもの若い女性スタッフは、明日は休みなんだそうで、我々が明日が最後だというと来年まで会えないのはとても悲しいと言ってくれる。

ラングスティンとロブスターリングイネ
ラングスティン(左)とロブスターリングイネ(右)。ラングスティンは量が少ない。パスタは当然たっぷりあって食べ応え十分。
グラウズ(雷鳥)
グラウズ(雷鳥)。左は料理を持ってきて見せてくれている状態。これから骨を外して食べやすく盛り付け、ベーコンなども添えてソースもかけた皿が右になる。
子牛肉のトマトガーリックソースとティラミス
子牛肉のトマトガーリックソース(左)とティラミス(右)。メインにはこのほかに付け合わせの皿が別にある。ティラミスは大きいものから一人分を取ってくれるが、おいしそうには見えないねえ。

2019.9.19

 La Capanninaは今日も相変わらず混んでいる。昨日来ていた島の要職らしい人は今日も違う人たちと来ていた。キールロワイヤルをまずもらって、メニューを吟味する。昨日と変わらないのだけどね。F氏は前菜をカルパッチョにしてメインをロブスターのテルミドール、親方はスモークサーモンを前菜にして、メインはSweet Breadsのバターとワインのソースというもの。我々はSweet Breadsがわからず、Tinoに尋ねる。だって、甘いパンにソースがかかって25ポンドのはずはないからねえ。パンとはちがうものに違いない。すると、Tino曰く、アニマルで、レバーみたいなもの、だそうな。なんだかわからないけど、知らないから食べてみようと。あとでネットで調べると、牛、羊、豚などの胸腺や膵臓のことだそうな。リードヴォーのことだと。Breadは肉を意味する古い英語からきた言葉だそうな。まだまだしらない料理用語はたくさんありますねえ。
 前菜のスモークサーモンは親方が注文を間違えたのがわかりました。いつもサーモンのマリネを今日のおすすめと持ってきてくれているので、それを食べてみようと思っていて、間違ってスモークドって言っちゃってましたね。まあ、仕方がない。目の前でスモークされた大きなサーモンから切ってくれました。もちろんおいしいけど、食べたかったものと違うのでねえ。それとこれならF氏のカルパッチョのほうがこの店らしいし、おいしいよね。F氏のメインはテルミドールだが、その上にウイスキーをフランベしてかけ、香りを加えていた。相当においしいテルミドールだったそうな。親方の胸腺もおいしかった。ふわふわでバターとホワイトワインのソースとよくあった。今日は最後にTinoがF氏の大好きなクレープシュゼットを作ってくれる。そして特別に親方にも1枚食べろとくれる。すごくおいしいのは事実です。皆にまた来年と言ってタクシーで帰る。

スモークサーモンとカルパッチョ
スモークサーモン(左)とカルパッチョ(右)。

ロブスターのテルミドールとSweet Breads(リードヴォー)
ロブスターのテルミドール(左)とSweet Breads(リードヴォー)(右)。

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2022.9.15

 コロナCOVID-19のせいで2年間Jerseyに行けないあいだ、高齢なTinoのことを心配していましたし、店がうまくいっているか心配していました。Jerseyではレストランの営業が一切できなかった時期や、屋外の席やデリバリーのみの営業が許可されていた時期などがありました。ですが、なんとかやっているのを確認していて、年に1、2度は「残念だけど今年は行けない」というようなメールを送ったり、逆に店からメールが来たりしていました。2022年に3年ぶりに行けそうだと、宿と飛行機を予約した時点で店にもこのころに行く予定だとメールしました(夏季休暇だったりすると困るので)。また、店の開店記念日にもお祝いのメールをしましたが、その際には返事が来ずにやや心配していました。たぶんジャンクメールか何かに紛れてしまったのでしょう。ジャージーに行く2週間前ごろに再度メールを送って、15日に到着するので15日の夜に予約したい旨をメールすると、翌日には歓迎する旨の返事がきました。
 店の前の黒板のおすすめを見て、グラウズが入荷しているのを確認。今日食べるかはわかりませんが。店に入ると、皆がいました。まずTinoに挨拶。それからマネージャーDave(たぶんメールを書いてくれているのはTinoではなく、このDaveのはず)。その弟、と順番に挨拶をしていく。3年ぶりということで、ことのほか歓待してくれているのが実感できる。Tinoは少し口元がおかしいですねえ。発音は問題ないけど。少しまた背が丸まったようです。マネージャーと弟も、どちらもやせて年を取った印象。まあ、こっちも3年年を取っているので同じように思われたかもしれませんが。長い間いた若い女性マーラはいなくなっていました。Tinoの息子は顔を見せず。まあこっちはやめてはいないでしょう。
 席に案内してもらうと、また窓際の上席。ありがたいことです。マネージャーに持参の日本の抹茶のチョコを、またTinoには誕生日プレゼントを渡す。Tinoは最初は三年ぶりだからと、ドンペリを用意しておいてくれる。ありがたいことです。ドンペリを飲みながらメニューを見て何を食べるか考える。しかし、ドンペリはおいしくてついつい飲んじゃいますね。価格は変わったかもしれませんが、グランドメニューは3年前とかわらないようです。
 結局F氏はまずロブスターのビスクスープ、親方はミネストローネ。それから二人でブラックスパゲッティをシェアして、その後F氏はメインにロブスターのウイスキーフランベ、親方はラングスティンのグリルにする。スープもスパゲッティもいつも通りのおいしさ。ロブスターもおいしかったようですが、親方のラングスティンはおいしいのですが、ガーリックがきつく、全部は食べられませんでした。店はいっぱいで、隣は17歳の男の子の誕生日を祝う家族だし、サービスに手が回っていません。営業がうまくいくのはいいけど、サービスの質が落ちるとこの店の価値が下がるからどうでしょうねえ。奥の個室にはグループ客が入っているし、入り口の近くの席も通常は食事の前にここで食前酒とアペリティブを供してメニューを選ばせるウェイティングの席として活用しているのだが、そこにも客を入れて料理を提供しているほど混んでいた。週末でもない木曜日にこれだけ混んでいるなら営業もうまくいっていることでしょう。
 イギリスでは19日月曜日はエリザベス女王の葬儀で祝日。ここは日曜日は休みだけど月曜日は営業日なのでやるならここに来ようと尋ねると、お休みだと言われる。残念です。なので、17日土曜日とジャージーを離れる前日の20日の予約をお願いする。
 混んでいるのでデザートはもらわず。会計をしてタクシーを呼んでもらって、帰ろうとするとTinoが待っていて、お返しとばかりにチョコレートをプレゼントしてくれる。いつもくれるのとは異なり、個包装をしているチョコレートってのはこっちでは珍しいですが、これはコロナの影響でしょうか?

Black spagetti
ブラックスパゲッティはイカ墨を練りこんだパスタにサーモンのクリームソースをかけたもの。2人でシェアしたのでこのサイズ。
ロブスターのウイスキーフランベを作っているところ
テーブルの横でロブスターのウイスキーフランベの最後の仕上げをしてくれている。左が兄のDaveで右が弟。兄はいつも店にいるが、弟は混んだ日にしか見ることはない。
ロブスターのウイスキーフランベ
ロブスターのウイスキーフランベ


2022.9.17

 Queenの葬儀があさってだし、イギリス本土の形で柄がイギリス国旗というネクタイピンをしていったが、誰にも気が疲れず残念。まあ、店は忙しいし、結構薄暗いしねえ。店に入ると、またTinoもマネージャーも弟もいて、順番に挨拶。弟はお土産のチョコレートがおいしかったと言ってくれる。よかった。席に着くと、何か飲むか、ベリーニもあるぞ、と言ってくれる。おお、ベリーニがあるのね。うれしくてお願いする。今日はほかのテーブルにもベリーニを勧めていた。
 Tinoがメニューをくれて、今日のおススメを教えてくれる。その後、何人かでいろいろな食材や料理をもって勧めてくるが、その際に今日は本当に忙しいからこの中から注文してくれると本当にありがたいといわれる。そんなことこれまで一度も言われたことがないのに。結局F氏は前菜にラングスティンのボイルしたもの、メインはグラウズ(ライチョウ)。親方は前菜にマリネしたサーモンにメインはSaddle of Lambにする。サーモンは前回注文しようとして、マリネと言わずにスモークドと無意識に間違って言ってしまい、食べそこなった料理。オレンジでマリネしてあるという。親方はサーモンはあまり食べないのですが、おいしかったです。Saddle of Lambはこの店のWebでもおすすめ料理にずっと挙がっている料理で、グレービーソースをかけておいしく食べました。F氏の料理もおいしかったそうです。ワインはおすすめのものをもらって飲みました。
 ただ、今日も超満員で全くサービスの手が回っていない。お酒も水も親方にもF氏にも手の届かない場所に置いているので、立ち上がって取らないと注げないのだが、もちろん普段そんなことをする必要はなく、注いでくれる。しかし今日は親方のグラスの水が空になってしばらくしても注がれることはなかった。これ以上待てないから立って自分で注ごうかと思ったところでマネージャー弟が気が付いて注いでくれましたが、本当にあわただしく動いていて、サービスが間に合っていません。おとといもそうでしたが、サービスが十分でないのは大問題だと思います。
 今日も手間のかかるデザートをもらうこともやめて、帰ることにして伝票をもらう。ここまでお酒も入って眠かったのだが、伝票をもらって目が覚めました。だって、手書きの伝票ですが全然違うのですもの。計算が全く合っていない。親方は数字の間違いにはうるさいのです。とはいえ、個々の料理の料金を覚えているわけではなく、お酒なんかお任せだからそもそも値段を知らない。しかし、料理とお酒の合計額にサービス料を10%加算するはずなのに、全く違う金額になっている。どうしてそうなったのか全く分からない。しかも実際よりだいぶ高い!するとマネージャー弟が寄ってきたので、詳細は何も言わずに「これは理解できない」と言ってやると、ちょっと待てと伝票をもって下がっていき、しばらくしたら、初回の伝票を持ってきた人が、もう一度伝票を持ってきたが、前のが間違っていたとか、そういう話は一切なし。これは合っているようなので10%のサービス料のほかにチップも加えてクレジットカードで支払う。まあ、海外ではこういうことは時折起こります。  

ラングスティン
ラングスティン
マリネしたサーモン
オレンジでマリネしたサーモン
グラウズ(ライチョウ)
グラウズ(ライチョウ)
Saddle of Lamb
Saddle of Lamb。Saddleは背中の部分の比較的大きな肉。


2022.9.20

 7時過ぎに店に行くと、また主要スタッフ全員が歓待してくれる。今日はこの間二日に比べて混んでいないようである。よかった、少し話せます。マネージャー弟に聞くと、いなくなった女性マーラは、ご両親がなくなり、結婚もしていないし、いろいろ考えてやめて違う道を進んでいるという。また戻ってきてくれるのじゃないかなとも言っていたから、来年以降また会えるのかも。しかし、若い女性と書いたが、彼女は41歳か42歳だという。これにはF氏も親方も驚愕。すでに店に20年いたそうな。たしかに我々が初めて来たときからずっといたけど、それは全く思わなかった。Tinoの息子は、Goneとはじめ言われたので死んだのかと緊張したが、そうではなく、イタリアに戻ったと。え?なにそれでした。全く知らなかったですが、普段はイタリアで奥さんとともに英語の教師をしていて、親孝行のために夏休みに戻ってきて働いているのだそうな。教師っぽいねえといつもF氏と話していたのですが、本当に本職が教師で、お手伝いだったとは全く知りませんでした。
 ベリーニをもらうが、前回のベリーニと全然味が違う!桃の質が違うのでしょうね。F氏は前菜にカルパッチョを、メインにロブスターのテルミドールを、親方は前菜にレバーのパテを、メインはドーバーソールのグリルをもらう。ロブスターのテルミドールは、最後に火をつけたウイスキーを回しかけて、ウイスキーのアルコールがだいぶ残っていたらしい。前回F氏の食べたロブスターのウイスキーフランベとテルミドールの合体ですね。親方のドーバーソールは、骨を外すか聞かれ、On Bone!と答えると、冗談ばかりのマネージャーは「俺を信用してないのか?」というので、「こっちは日本人だぞ」と言ってやると、そうか、と。「頭は外すか?」というので、頭もつけて、と言ってやる。サーブしてくれたが、冗談で、日本では魚の頭は必ず左に置くのだ、というと、本当に皿を180度ひっくり返した。いただくと、まだ骨と身の間に火が通っていない部分があり、血がにじんでいたので、マネージャー弟を呼んでもう少しだけグリルして、とお願いすると、こんどはちゃんと火が入った。ああ言ったためにこっちも日本人の意地でナイフとフォークとで骨を外してきれいに食べましたし、頭のほほの部分の肉もちゃんとおいしく食べました。ロブスターとドーバーソールのための二本目のワインも、赤を勧めてくれたのでそれをもらったが、あっていておいしかった。
 その後デザートにF氏のためにTinoがクレープシュゼットを作ってくれる。ありがたいことです。いつも通りおいしかったようです。会計をもらっている間、マネージャーがお菓子を持ってきて、そのお菓子の包装紙を使ってパフォーマンスをしてくれる。包装紙を筒状にして上部に火をつけて空を飛ぶと願いが叶うというやつ。以前見たこともあるし、特に珍しくもないが、そうやって客の元気を出させようとするのはうれしい心意気です。真剣にお願いをしているF氏の横で、もらった伝票を見ながら「どうぞ、この伝票がなくなるように!」と言ったら、周囲のテーブルで大うけしました。結構周囲に聞かれていたようです。ただし、この願いはかないませんでしたが。皆にまた来年の夏に、と言って別れ、タクシーでホテルに帰る。  

カルパッチョレバーパテ
カルパッチョとレバーパテ
ロブスターのテルミドール
ロブスターのテルミドール
ドーバーソール
ドーバーソール
クレープシュゼットを作っているTino Rossi氏
テーブルの脇でクレープシュゼットを作ってくれているTino Rossi氏
クレープシュゼット
クレープシュゼット

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2023.9.7

 日本からメールで予約しておいた。
7時少し前に店に着いたので、店の前に書いてあるものなどを眺めて7時に入店するが、なぜかすでに5組ほど客が入っていて、すでにお酒を飲み始めている人もいる。7時開店のはずなのになぜでしょう?
 いつものスタッフやTinoにご挨拶。また窓際のいい席に案内されるが、今日は客が多いらしく、テーブルの配置が詰めてある。テーブルにはドンペリが用意されており、これでいいか?とサービスしてもらう。ありがたいことです。店の下のほうのスタッフは去年から大幅に変わっている。基本的にイタリア系のスタッフばかりなのだったが、黒人など様々な人種のスタッフを雇うようになったようだ。まだ十分には慣れていなかったが。メニューをもらって考える。見せてきたジャージーロブスターが実に見事なサイズだったのと、やはり見せに来た食材の一つにいちじくもよいと言っていたので、F氏はハムとイチジクの前菜にして、メインはいつものロブスターのウイスキーフランベ。親方はガスパチョとメインはSaddle of Lambにする。
 オーダーを取ってくれたTinoに誕生日プレゼントと店のスタッフへの日本のお菓子のお土産を渡すと喜んでくれた。そのころには店が混んできて、以前も見た島の有力者とか、たぶん銀行マンの人とか、常連客がぞくぞくとやってきている。木曜日なのに何か特別の日なのかと尋ねると、特に何もないとのこと。遅い夏だと言っていた。今年のジャージ−の夏は雨が多くて気温が低かったそうで、9月になってようやく夏らしくなってきたのだそうな。
 F氏の前菜はイチジクが十分でなく、ハムに負けていたとのこと。親方のガスパチョはガスパチョらしい味でした。前菜でドンペリは飲み終わって、Tinoにお願いしていた赤ワインをもらう。イタリアのしっかりした赤ワインでおいしかった。F氏のロブスターはテーブルの前で最後のフランベをして出してくるが、隣の銀行マンらしい3人組が、俺はこの店に40年通っているけれどあんな料理知らないぞと騒いでいる。メニューには書いていないですからねえ、ウイスキーフランベ。スタッフが、あちらの方は20年毎年日本から来てくださっている方なのです、と説明すると、本当に毎年来ているのか?とか聞いてくる。初めてこの店に来てからまだ17年かで、厳密には20年までは経っていないですが、そうだよと肯定していると、まだぶつぶつ言っている。その席の隣の年配のカップルのうち女性もフランベの様子に興味津々で、席から立ちあがることこそしないが、いろいろと姿勢を変えてスタッフの身体で隠れたフランベの様子を見ているのも面白かった。このロブスターはサイズも特大だったので味も素晴らしかったとのこと。親方も半分もらったが、大変おいしかった。親方のラムもおいしかったが、これもグレイビーソースでしたので、昼夜続けてグレイビーソースってのは重なってしまったのは選択の誤りでしたね。
 忙しそうでデザートを作ってくれそうもなかったので、チーズを最後にもらう。量は多いけど、おいしかった。あわせてポルトもグラスでもらう。土曜日と火曜日に予約をお願いする。一杯なのかもしれませんがなんとかしてもらえました。タクシーを呼んでホテルに帰る

ロブスターのウイスキーフランベを作っているところ
ロブスターのウイスキーフランベを作っているところ
チーズの盛り合わせ
チーズの盛り合わせ


2023.9.9

 7時に入店していつも通り皆にあいさつ。木曜日にはいなかった、Tinoの息子のアランや以前からいる年配のスタッフなども今日はいて挨拶をする。F氏はベリーニを、親方はグラスシャンパンをもらって何を食べるか悩む。F氏は前菜にラングスティンをレモンとマヨネーズソースで、メインはグラウズ。いつもはF氏には自動的に骨を外してくるが、今日は骨は外すか?と聞かれていた。親方は、スウィートペッパーの詰め物を前菜にして、メインはカニ身のサラダ。前菜は赤ワインか、とか尋ねられますが、いつもの通り白ワインを勧めてね、とお願いする。
 ラングスティンはレモンとマヨネーズが素晴らしくあったそうですが、小さめの6匹では少し物足りなかったらしい。親方の詰め物は、メニューを決める段階でロブスターやサーモンのマリネなどともにほぼ毎回見せてくるもの。いままで食べたことがなかったし、あまり重めのものはいらないと思ったのではじめて注文してみました。パプリカの中にラタトゥイユのような野菜が詰められていておいしかったです。メインはまたTinoが選んでくれてデキャンテしてくれた赤ワインで。グラウズは本当においしかったようです。親方のカニのサラダも残さずにおいしくいただけました。
 今日も土曜日で、奥の部屋でパーティーをしている人がいるなど混んでいるのだが、もしかしてデザートを作ってくれるかもと、デザートをお願いしたら、いつものデザートのトロリーを運んできて、どれを食べると聞かれる。やはり今日は作ってくれる余裕はないようです。F氏はなにを食べたのか覚えていないなあ。親方はカラメルを食べて、タクシーで帰る。

ラングスティン
ラングスティン
スウィートペッパーの詰め物
スウィートペッパーの詰め物
カニ身のサラダ
カニ身のサラダ
グラウズ
グラウズ


2023.9.12

 いつものようにいつものメンバーに挨拶。グラスのシャンパンをもらって何を食べるか検討して、F氏は前菜にカルパッチョ、メインは見せに来たロブスターが前々回同様相当大きかったので、ロブスターのテルミドールに。親方は、大好きなブラックスパゲッティを前菜に、メインはグラウズ。いつものようにおいしかったです。デザートはまたデザートのトロリーを持ってきましたが、F氏がクレープシュゼットを作ってほしいアッピールをして作ってもらえました。
 帰りに今年もまたイタリアのチョコレートをプレゼントしてくれましたが、例年の大きな箱ではなく小さな箱が複数なので荷物に入れやすくて助かります。帰り際にまた来年と言ってタクシーでホテルに戻る。


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