Elizabeth CastleはJerseyの首都St.Helierの港の沖合い1kmほどに浮かぶ島。と言っても、干潮の時にはcausewayを歩いて渡れるので島と言えるかどうか。St.Helierのバス停から西に海岸沿いに1kmほど行ったところから行く。満潮時には(干潮時でも希望する人は)Puddle Ducksという名前の水陸両用車で渡ることができる。この水陸両用車は片道3ポンド。往復5ポンド。Elizabeth Castleの入場料はこれと無関係に5.25ポンド(2005年情報)。ただし、親方は行っていないがほかの博物館なども回れる共通入場券もあるらしい。詳細は公式Webを参照のこと。夏季は10時から6時開園。障害者のアクセスは困難と書かれている。
親方たちがElizabeth Castleの対岸に着いたのが10時10分ほど。今日(5月3日)は干潮が9時半なので、Elizabeth Castleは海が干上がって通路causewayを歩いて行くことができる。causewayは少しぬかるんでいる場所もあるけどほとんどは整備された道を歩くので足元はそんなに悪くない。15分弱くらいで歩いて渡る。城への入場料を払い、ちゃちな公式ガイドブック(文章のほぼ半分はWebと全く同じだった!)0.50ポンドも購入。入り口には11時以降はcausewayは徒歩では渡れないから渡らないように、とある。城から11時に見てもまだ水の下にはなっていないが、渡っているうちに危険になるからということでしょう。
城の入り口には羊や鶏がいる。独立記念の展示が庭にされているので、一番外側のOuter Wardは違和感がある。まっすぐ一番内側のUpper Wardまで行く。城の一番頂上にはドイツ軍が作った丸い要塞が立っていて周囲とは調和せず無粋。そのほか、城のあちこちにドイツ軍が手を入れた場所が残っている。文化を破壊するという面でも戦争は避けるべきだと再確認。Upper WardのGovernor's Houseには城に関して絵や図面で説明する展示があった。あとはざっと眺めて、Lower Wardへ。そこからHarbour(厳密には城の外になる)へ行く門は閉ざされている。掲示を読むと、「干潮時には危険なので閉めている」とのこと。満潮時に潮があがって危険になると言うのはわかるが、干潮時に危険になるという理由は不明。しかし11時過ぎにスタッフが門の鍵を開ける。行っていいかと聞くといいというので行ってみる。Harbourはもともと1870年代に作られたコンクリートで固めた荷揚げのための場所で、同じく無粋。その先のHermitage Rockが趣があるだけに特にそう感じる。Hermitage Rockは、St. Helierの名前になったHelierという隠者が西暦540年くらいに15年間住んでいたところ。中は何もないところだが雰囲気だけは感じられた。戻って博物館に行くが、軍事博物館なので興味はない。Cafeもあるが、まだ12時前なので少し早いし。
Lower WardのParade Groundで12時から毎日Paradeをするとか書かれていたので待っていると、12時を7分ほど過ぎてそれらしきおじさんが一人出てくる。あれ?一人でパレード?って思う。近くに寄っていくと、主として男性に対してどこから来たかとか話しかけて、それからいろいろな話をし始める。ときどきは大声を出しながらジョークを交えながら。我々のような近くで聞いていたもののほかに遠巻きに見ていた客も結構いた。そのうち、地面にバツを書いて、じゃあ、おまえはここに立てとか言われる。親方を含めて男性3人が立たされて、男はその後ろに並べ、女はこっちだとか、やりはじめる。要はパレードって、このおじさんを先頭に我々がパレードするのね、と気がついたのはようやくこのころ。はじめに男性に話しかけていたのも、このときに並んでもらう人の英語力などを試していたらしい。マーチはやったことがあるか?とか聞かれたが、小学校の日本語でのならあるけどねえ。小さな男の子もパレードでは男性陣に混じって行進。行った先はOuter Wardの大砲のところ。男性6人だけ大砲の近くの一段下がったところで待たされる。それ以外の人は上の段で見る。小さな男の子は危ないのでここで大人に交代。おじさんは大砲の掃除の仕方からなにからいろいろ脱線しながら説明。火薬を装てんした後、我々6人は3人ずつ左右に分かれて滑車を使って紐で引っ張り、大砲を一番前まで動かす役目。その後おじさんはあまった導火用の火薬を少量コンクリートの上にまいて、火をつけて見せたりもする。最後に火をつけて大砲(空砲だけど)を撃ってみせる。最後にまた大砲を我々が後ろに戻す。それまでに結局1時間かかる。小銭をDonationとしておいていく。ちなみに後日見ると、パンフレットの写真では大砲のところにおじさんと同じような衣装の人が4人いて、一般の人はすべて一段上にいる写真があった。季節によりまた客の数によりやり方が変わるのかも。楽しかったです、この大砲は。逆に大砲がないとあまりElizabeth Castleは魅力的には思えなかった。
帰るときには当然潮位は上がっているので水陸両用車を待つ。おなかは空いたけど空港への時間がないので、急ぎたいが、20分待って、ようやく13時20分ごろにやってくる。やってきた水陸両用車のスタッフは出てくるや否やたくさん待っている人に、「チケットを持っている人だけね」、ですって。飛行機の時刻がある人間には冗談きついですね、もう。もちろんジョーク。片道料金3ポンドは車内で払う。これも「今日は倍額ね」。毎日言っていると思う。結構遅い水陸両用車で、対岸に着いたのは1時35分ほど。