Dockyard Restaurant(ジャージー旅行記)

 Dockyard Restaurantは、Fort d'Auvergne Hotelのすぐ近く、同じHavre-des-Pas通りにあるMarina Metro Hotelにあるレストラン。以前よく通ったNelson's Eyeレストランの隣に位置する。以前はNelson's Eyeがよかったし、このホテルもレストランも外から見て魅力的には見えなかった。しかし、2012年春にリニューアルオープンした。2012年夏に前を通った際には、少し雰囲気が変わったなあ、という程度の印象しかなかった。Nelson's Eyeが変わってしまったため、2013年の初夏にホテルの近くのJerseyのレストランをWeb上でいろいろ見て回った。すると、ここは結構評判が高かったので、2013年に行くときにはよく見てみて、一回ぐらいは行ってみようかと考えていた。

 実際に2013年にはおいしかった。しかし、2014年に行ったらサービスは悪くなったし、メニューに載っているのにない材料が複数あったし、料理も味が落ちたように思う。

Marina Metro Hotel入り口
Havre-des-pas通り沿いのMarina Metro Hotelの入り口。ここからレストランにも入れる。
プロムナードから見たDockyard Restaurant
海沿いの歩道(プロムナード)から見たDockyard Restaurant。外にも席があるし、中にも席がある。


 2013年、Jerseyに昼前について、、Fort d'Auvergne Hotelに荷物を預けて、お昼ご飯に出かけることにした。こういうときには過去は必ず利用していたNelson's Eyeが去年で変わってしまったから、どこへ行こうかと近くを少し歩き回るが、結局ここに入ることにする。ここはTripAdvisorでの評価が比較的高い店でもあるのは前もって確認していたが、外から見た限り店の雰囲気も悪くなさそう。日が出ているが、暑くはなく、外で食べることにして、シャンパンを1本と、ジャージークリームのムール貝と、Duck DuoというメインをF氏と二人で分けて食べることにする。ムール貝だけでは足りないだろうと思ったのだろう、チップスもくれたが、これが大変おいしかった。二度揚げしたポテトらしく、F氏によれば昔のチップスは、低温で一度揚げてから、3時間ほど冷蔵庫でさまし、再度高温で揚げて出すのだそうで、どうやらそれらしい。(後日Googleでchips twice friedと入れて検索したら、確かに2500万件以上Hitした。三度揚げするレシピもあるらしい)。ムール貝もサイズがよく、おいしかった。だけど、それよりもDuo of Duckというのがおいしかった。要は二種類の鴨の料理が一皿に載ったもの。ひとつは、ローストした鴨にグレービーソースとマッシュしたButternutを合わせたもの。付け合わせにグリーンアスパラガス。もうひとつは、鴨の小さく切った肉と野菜を合わせて調理したものの上に、マッシュポテトを載せてオーブンで焼いたパイ。どちらもおいしく、しかも味にバリエーションがあるので食べ飽きなかった。この店は10%のサービス料を載せているが、おいしかったので少し別にチップもおいてきた。また食べに来てもいいと思った。

 同じ日の夜8時前。ホテルでうたたねをしてしまい、あわてて二人で起きだして、どうするか悩んだが、町の中心地にまで行く元気がなく、昼間のレストランに再訪することに。行ってみると、そういえば7時半から音楽をやるといっていたのを思い出した。そのせいか混んでいて、外には空席があるが、寒いのとタバコを吸う客がいるので、中がいいというと、ちょうど席を立った客がいて、うまく入れてよかった。ただし、なかなか手が回らず、メニューをもらうまでに10分以上待つ。昼においしいことを知らなければこんな待たされると嫌かも。結局、2コースメニューから、F氏は前菜を本日のスープ。これはトマトとモッツアレラチーズのスープだった。メインはチキンとシーフードのパエリヤ。親方は、前菜を野菜の春巻、メインをタイ風グリーンカレーにする。F氏のものもおいしかったそうだが、親方のものもおいしかった。春巻は揚げ春巻だが、ソースにタイ風のハーブが入っていて面白い。カレーもイギリスで食べるグリーンカレーの味でよくできているし、大きなチキンもあって、食べ応えもある。親方のライスは長粒米だし、パエリヤは違うコメと、全く違う料理だけど、それぞれちゃんとできている。また、ワインも結局2本飲んでしまう。途中からオーナーだか、マネージャーらしい男性もサーブしてくれたが、途中で隣に座ったのが、この人の奥さんとお母さんと聞いて驚いた。その男性は昔上海にいたんだとか、そういう雑談もする。最後にデザートをとって、親方がピーチメルバ、F氏がクレームブリュレだが、二人とも載っているのは同じ皿で、同じように三種類のデザートが乗っている。親方のは真中がPear Melba。ピーチメルバの洋ナシ版。これがこのデザートのメインだったのですね。左はチョコレートのアイス、右はやはりピーチメルバ。まあ、悪くはないが、料理ほどうまくはないというのが、F氏との共通の感想だった。

 この日の夕飯は町中のGio's Restaurantで食べようとしたが、行ったらつぶれていて、この島の景気の悪さを実感して、落ち込む。月曜日は休みの店も多く、今日の気分に合う店が見つからず。結局、二日前に行ったこの店に行くことにする。海岸沿いのプロムナードを歩いて近づいていくと、先日話をしたオーナーらしい男性が声をかけてきてくれる。こういうのは今日のように落ち込んでいる日には大変ありがたい。今日はそんなに混んでいない。外は寒いのと煙いので中の席をお願いすると、海を向いた席を用意してくれる。落ち込んだ気持ちを奮い立たせるためのシャンパンをボトルで頼むと、明日出発か?と言われる。なるほど、そう思われたのか。違うのですが。メニューを見るとおとといとほとんど変わりがない。親方の食べたグリーンカレーがレッドカレーになっていたぐらいの違い。親方は前菜にカルパッチョ、メインはラム、F氏は前菜をフィッシュケーキ、メインをムサカにする。あと、前回おいしかった二度揚げのチップス。カルパッチョはもうひとつ。カルパッチョというには肉が厚くて、一生懸命かまないといけないし、上に載せた松の実やチコリで工夫しているつもりだろうが、特に合うわけでもない。フィッシュケーキは美味しかったらしい。ラム肉は美味しかったが、一緒に出てきたパプリカやポテトなどの野菜はグタグタでおいしくないし、ラムと一緒に食べてもなにも生まない。かぼちゃのマッシュもついているが、これもラムと合わない。結局かかっているグレービーソースとラムの定番の組み合わせが一番おいしかった。F氏のムサカも、見た感じは積層にもなっておらずムサカとは言えないものだが、材料と味はムサカだったという。いろいろアレンジすることは悪くないし、ひどくまずくはないが、オリジナルを超えられないのであればアレンジをする意味は薄いだろう。奇をてらっているだけになりかねない。その一方、相変わらずポテトフライは美味しい。聞くとドイツ人シェフで、世界のあちこちの国で働いた経験があり、最近この店で働くようになったらしい。疲れていたので、デザートなどはもらわず、ホテルに戻る。あと二泊するならもう一度会えるな、と言われるのはうれしいような、単なる営業トークのような。でも落ち込んでいる気持ちをだいぶ穏やかにしてもらえたのはありがたかった。

 帰る前にもう一度この店に。またプロムナードから入り、屋内に席をもらう。前菜にムール貝を取って二人で分け、親方はメインをロブスターに、F氏はメインをDuo of Duckにする。ただ、あとでわかったのはロブスターは前菜として店では考えていたのですね。メニューにはなく、入口の黒板にあったのでわかりませんでしたが。なので、小さなロブスターでしたし、付け合わせも量が少しだけでした。まあ、十分でしたが。前菜のムール貝は、二人で食べたいと言ったら、二つに分けて出してくれました。ありがたいですねえ。今年はこの店で4回も食べました。お世話になりました。また来年とあいさつをしてホテルに帰る。

このページの先頭へ


 ホテルから近いし、前年行った印象がよかったので2014年も再訪。6時過ぎに入る。海沿いの外の席はワインやビールを飲んでいる客で混んでいるが、店の人間は一人のみ。しばらく待って中に席をもらう。しばらくメニューも持ってこないほど。そのうち新しいスタッフも来て対応できるようになったが。6時半ごろには外の席の客は全員追い出される。ホテルの宿泊客の予約優先のようです。まあ、当然でしょうね。

 F氏は前菜にサバのマリネのサラダ、メインにFish & Chipsを頼む。親方は、前菜にサーモンを頼もうとしたら、今日はサーモンと鴨はないと断わられる。そんなに多くのメニューの種類がないのに、なんで?仕方がなく、エビのTenpuraにしてみる。メインはロブスターの半身にしたら、You are unlucky!と言われる。なんだそりゃ?ロブスターも今日もないんだと言われる。おいおい、なぜI’m sorry!じゃないの?と思っていたら、確認してくるとキッチンに向かい、戻ってきたら、今度はYou are very lucky!だそうな。ロブスターあったそうな。いくらイタリア出身で英語が下手な人と言っても、そりゃおかしくないかと思うが、まあ、食べられるのはよいことである。ニュージーランドの白を1本もらう。去年もいたマネージャーがやってきて、久しぶりと言ってくれる。覚えてくれていたらしい。しかし、好きなのは赤ワインじゃないの?と。確かに去年は赤ワインを中心に飲んだような記憶があるけど、シーフードばかりで赤もないでしょう。料理はなかなか出ないのでしばらく飲みながら待つ。

 エビはテンプラという名前だが実際はフリッター。まあ、特別うまいわけでもないが、まずくもない。エビの下に敷いてあるのは焼きそば。炒麺というよりは焼きそば。まあ、まずくはなく、意外に食べられた。F氏のサバは美味しかったとのこと。ずいぶん待ったので前菜を食べ終わる頃にワインを飲み終わったので、2本目の白を勧めてもらうと、ポルトガルの白はどうだというので、それをもらったころにメインが到着。F氏のChipsは、去年ここで食べたのが美味しかったから注文したというのに、全然美味しくない普通のChipsだったという。たぶんシェフが変わったのではないかとのF氏の予想。タラは美味しかったそうですが。ロブスターはまあ、普通。こんなものでしょう。ほかに行く店がなかったらまた来るかもしれないけど、特に行きたいとは思わないという評価に下がった。

このページの先頭へ

ジャージー旅行記トップページ