Battle of Flowers(ジャージー旅行記)

 Battle of Flowersは1902年から行われているジャージーで最も大きなお祭りである。Battle of Flowersとともに夏のバーゲンが終わるので、夏の最後のお祭りとも言えるのかも知れない。この日は街もホテルも人で一杯になる。Battle of Flowersの終了後に街の中心部の公衆トイレを使おうとしたF氏によれば、トイレットペーパーが使い切られてなかったとのこと。それほど特別に人が多い。そのためにもともと安全な島なのだが、この日だけはセキュリティーは十分ではないので貴重品やホテルの鍵は持って出ないほうがよいとのことである。まあ、昼のパレードはかんかん照りの下なので特に危ない感じはしないが、夜のパレードは暗いのでスリやかっぱらいなどは出るのかもしれない。特に危険な目にはあわなかったが。

 Battle of Flowersの会場はSt. Helierから少し西に行った海岸線沿いの道路。山側に平行してもう一本道路があるので、車などはそっちを通すことになる。ちなみにこの山側の道は高くなっているので、その道からパレードを見ることもでき、無料で楽しんでいる人もたくさんいた。会場の東側の入り口まではSt. Helierのインフォメーションからは歩いて10分ほど。また、各ホテルから送迎バスも出ていた。要予約で昼のパレードのときが一人6ポンド、夜のパレードのときが一人6.45ポンドだった。このバスは会場入り口の近くまで連れて行ってくれる。親方たちの泊まっていたFort d'Auvergne Hotelからなら歩いて30分ほどだが、通常のバスの運行が一時期止まるので歩いていくのが難しいホテルの人には便利だろう。

 チケットは現地でも買えるが、親方の行ったときには3日前の8/6の夕方には昼のパレードのチケットは売り切れていた。夜のパレードは最後まで売り切れていなかったようなので、直前でも買えるかもしれないが。しかし、予定が決まっているならあらかじめインターネットで買う方が確実だろう。親方は6月末にネットで購入し、7月半ばに自宅まで郵送されてきたチケットを受け取った。昼と夜のパレードの片方だけ見てもいいのだが、初めてだし両方を見比べてみたいということもあって、両方のチケットを購入した。昼の方が伝統もあって格式の高いパレードらしいので、昼は一番上のカテゴリーのチケット(1枚:25ポンド)を買った。夜は違うカテゴリーの席も体験したいと、2番目のカテゴリーの席(1枚:12ポンド)を買ってみた。昼は立ち見の無料の席もある。昼と夜とでは料金も異なる。

花台車Under the sea
花台車Under the sea。リトルマーメードをもとに作られたもの。あちらこちらが動く。これはClass11(Fully Floral Clubs and Association 40-45ft)になる。
手で引く小型の花台車
大型の花台車だけではなく、このような手で引く小型の花台車も参加する。実際の植物を剪定して動物にしたもの。これはClass4(Wild Flowers 15-25ft)に分類される。Wildflower Awardを獲得。


 昼のパレードは昔からやられている本来のBattle of Flowersだという。8/9日の昼のパレードは12時半開場。2時半のパレード開始まではまだまだ早いが、よくわかっていない人間としては早くに行って自分の席を見つけるほうがよいだろうと、12時40分ごろに会場につくように歩いていく。手前にはクラシックカーが並んでいたりする。親方たちの席は、Corporate Grandstand NorthsideのG列56,57という場所。チケットの裏に会場全体の地図があり、Grandstandは書かれているのだが、Corporateってのがつくとどこなのか全くわからず。それでスタッフに尋ねながら席を探すと、一番よい場所にある、上に屋根のある場所だった!(他の場所にはどこにも屋根がない)。チケットの裏にはVIPと書かれている場所。つまりは貴賓席!驚きました。確かに一番高いカテゴリーのチケットを買ったのは確かでしたが。席も仮設で作られたプラスチックのいすの上にひとつひとつ柔らかいクッションがかけられていて座り心地も悪くない。場所も前から6列目だが、各席の段差は大きく、前の人が大柄でもまったく問題がない。そのVIPのスタンドの一番端の席で、隣のスタンドとは離れており、視界も開けていて大変見やすいいい席だった。待っているときは斜めから日が当たって暑かったが、スタートのころにはちょうど屋根がさえぎって問題なかったのもよかった。道路の北側なのでどちらかといえば逆光だが、見る分には日は高いのであまり影響はしなかった。写真ではややきつかったが。

 1時前に席についてホテルでもらったランチを食べる。食後は周囲を眺めながらしばらく席で待つ。1:15からプリパレードのスタート。といってもバンドなどが通ったりするもの。それらをのんびり眺めているうちに、2時に。2時はPlease take your seatsだが、なにも放送されるわけではなく、みな順に席についていくが、全然座る気のない人もいる。このころになると貴賓席の前方の中心部にある本当のVIP席に人が座り始める。席には各人の名前が書いてありました。2時20分ごろにはMiss Battle2007とMr. Battle, Miss Junior BattleがVIP席の前までやってくる。2:25ごろには馬車でHis Excellency, the Lieutenant Governorがやってきて、VIP席に到着。国歌らしきもの(6小節ぐらいでものすごく短かったけど)の演奏を立って聞いて、開会宣言のあと、Battleのスタート。といっても、花で飾られた台車がやってくるのはずいぶんあと。

楽隊
パレード前にこういう楽隊などが順に来て演奏したりする。このグループが国家らしきものも演奏した。後ろに見えるのはSt. Aubinのあたり。
His Excellency, the Lieutenant Governorの馬車での入場
His Excellency, the Lieutenant Governorの馬車での入場。後ろに見えるのはElizabeth Castle
His Excellency, the Lieutenant Governorが着席するところ
His Excellency, the Lieutenant Governorが貴賓席に着席するところ。実は親方たちも席がどこかわからずに迷った末に同じ橋を渡って着席したが、本来のこの席の入り口はスタンドの裏側からである。
Miss Battle2007らがフロートに乗るところ
Miss Battle2007らがフロートに乗るところ

花で飾った福祉用スクーターの行進
花で飾った福祉用スクーターの行進。日本でもぜひこういうのをやってほしいものである。とはいえ、暑い中をずっとパレードする高齢者は倒れないのか心配だった。

まず、Miss Battle2007らがフロートに乗って出発。といっても、あちこちで挨拶したりなんだりで、非常にゆっくりとしか進まない。その後はAVISの提供した車で、JERSEYの6文字のパレード。それからJersey Shopmobilityのスクーター三台のパレードとか、バンドを乗せた車などが次々とやってくる。その合間に、さまざまなパフォーマーも。アクロバット、BBCのDR. WHOのキャラクター、パイレーツオブカリビアンのJack、Will、Elizabeth+Davy Jones、大きな旗を振るパフォーマンス、赤い猫車を押しながら赤い煙を噴射して走り回る人たち(The Red Barrows)、それから車に乗ってコミカルな寸劇をする人たちなど。バンドは、ちゃんとしたマーチングバンドのほか、サンバ、カントリー、バグパイプを使ったスコットランド風、アコーディオン、などなどさまざまなものがやってくる。その合間合間に、ゆっくり審査の対象になる花台車がやってくる。パレードは会場の西のはずれから海岸通側を東に進み、一番東でUターンして山側を西に戻っていく。しかし、もちろんすれ違うので、音楽がうるさいぐらいのところがすれ違うときはわけのわからない状況にもなる。花台車は花といっても造花もありで、大きいのから小さいのまでさまざまで、いくつものクラスに分かれて審査される。単に台車の飾り付けの見事さだけではなく、一緒に行進する踊りなども審査の対象。よくできているのから、変わったのまでいろいろで見ていて飽きない。パレードの花台車は全部で24台。パレードをしているグループの半分は島の教会の各教区のメンバー。ときどきゆっくりしか進まないところがあって、間が大きく開くこともあるが、その場合には反対側を見ていれば飽きない。2時半スタートで、結局終わったのは5時。最後にパラシュートで海に降りるパフォーマンス(結構沖合いで小さくしか見えないけど)までして終了。だが、最後まで見ずに途中で帰る人も意外に多かった。反対側で見たらもう十分と思う人もいるからでしょう。それと、各ホテルへ帰るバスが5時ごろ出発予定だったので、それに間に合うように早く帰ったのでしょう。結局、ずいぶん予定よりも遅れたようです。

仮面舞踏会の花台車
仮面舞踏会の花台車。衣装に大変凝っている。Best Costume賞を獲得。これはClass12(Fully Floral Paochial 40-45ft)になる。
バイキングの花台車
バイキングの花台車。これもClass11。Prix d'Excellence賞(全体で第二位)を獲得。
花台車Baobab
花台車BaobabはClass12。Prix d'Honneur(全体で第一位)を獲得。花台車だけではなく衣装もダンスも見事。

 混雑している中を街の繁華街を通ってホテルに戻ってきたら6時前。はじめのうちに日に当たっていたのでずいぶん日に焼けた。だが、屋根の下だったのでそれほど暑くなくて助かった。


 夜のパレードMoonlight Paradeは新しく、1990年に始まったとのこと。8/10の夜のパレードは7時半会場で9時にパレード開始。夜も遅いのでホテルからの送迎バスを利用することにして当日の3時ごろにフロントへ行くと、遅いといわれるが、念のために電話してもらったら空席があった。ラッキーだった。

 ホテルもこの日は早めに夕飯を出していた。我々も食事の後、夜で気温が下がるので、寒くてもよい格好をしてフロントでバスを待つ。予定時刻の8時より少し前にバスが着いて、ホテルでの支払伝票をチェックしてバスに乗せてくれる。交通規制もあって距離の割には時間がかかって8時10分ごろ会場の入り口に到着。今回の席はGrandstand B SouthsideのD列33、34番。VIP席の反対側の少し西より。前から四列目で貴賓席に比較すると段差が低いが、前の席はそれほど大柄な人ではないので問題なし。パレードが始まるまではマイクを持ったアナウンサーだかコメディアンだか知らない人が、ウェーブを作ったり、観客とやりとりをして楽しませる。観客がどこから来たかを手をあげさせたりしたが、地元の人に負けず劣らずイングランドやスコットランドなどから来ている人たちが多かった。そのほか、フランス、ドイツ、オランダ、スカンジナビアぐらいしか言わないので、それ以外から来ている人は少ないのだろう。
 9時にパレード開始。昨日の昼のパレードの花台車すべてではなく、大型のもので電飾のついたものだけが行進をする。合間に楽隊の演奏もあるが、昨日の昼のパレードほど多くはない。しかも、ほとんど立ち止まることはなく、パレードの進行は昨日に比べて相当早い。しかし、行進中のダンサーがときどき観客席に入ってきて拍手を求めたりアッピールしたり、こっちの方が堅苦しくない。目の前をすべての台車が過ぎても、折り返していくまでしばらくパレードは続く。そのあとは花火だが、海の上に上げるので、親方たちの席からは後ろ側になり、この席にいるのは得策ではない。ということで、早々に席を離れてスタンドの後ろ側の海沿いに出て花火を待つ。花火はなかなか見ごたえがあった。はじめはもうひとつだったが、だんだん盛り上がって華やかでよかった。

 寒いのもあったし、花火の終了後5分後にバスは出発と言われていたのですぐにバスに戻る。しかし、同じバスで6人ほどなかなか戻ってこない人たちがいて、その人たちが戻ってくるまで15分ほどバスで待たされる。バスが動き出しても、交通規制がある上に歩いて帰る人や帰る車で混雑しているのでゆっくりしか進まず、結局ホテルに戻ってきたのは11時30分。


 昼に行ったタイ料理屋の人は夜のパレードはすごくきれいだと言っていたが、ディズニーランドのパレードなどを見たことのある人には、やや物足りなく感じるのは否めない。夜には夜のよさがあるのはわかるが、親方は昼のパレードの方が好きであるし、お勧めである。夜の花火は会場から少し離れていても見えるだろうし。

このページの先頭へ

Battle of Flowers公式ホームページ

ジャージー旅行記トップページ